SEMICON BLOGhttps://semicon-blog.com半導体業界に転職したエンジニアが日々の学びをアウトプットSat, 14 Jun 2025 02:37:42 +0000jahourly1https://semicon-blog.com/wp-content/uploads/2024/03/cropped-semiblo-32x32.pngSEMICON BLOGhttps://semicon-blog.com3232 【目的別】半導体の学習におすすめ書籍5選!https://semicon-blog.com/recommended-books-on-semiconductors/Sat, 14 Jun 2025 02:37:41 +0000https://semicon-blog.com/?p=1311

近年、半導体はスマートフォン、自動車、AI、IoTなど、あらゆる分野で不可欠な存在となっています。半導体業界に興味を持つ方や転職・就職を検討している方にとって、基礎知識を身につけることは非常に重要です。 そこでこの記事で ... ]]>

近年、半導体はスマートフォン、自動車、AI、IoTなど、あらゆる分野で不可欠な存在となっています。
半導体業界に興味を持つ方や転職・就職を検討している方にとって、基礎知識を身につけることは非常に重要です。

そこでこの記事では、次の目的別におすすめの書籍をまとめました。

  1. 入門書
  2. 半導体業界・ビジネス関連
  3. 半導体プロセス

これから学習を始める初心者向けから、知識を深めたい中級者向けの内容の書籍を紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

入門書

新・半導体工場のすべて 設備・材料・プロセスからAI技術の活用まで

引用元:ダイヤモンド社

半導体工場の全体像を理解するための入門書で、2025年3月にダイヤモンド社から発行されました。
元NECの技術者である菊地正典氏が、半導体製造の全工程を「工場」を軸に解説した大好評ロングセラーの最新版です。

工場内の構造から製造プロセス(前工程/中工程/後工程)、検査・出荷体制まで広く学べる一冊です。

新項目・新章として、3D積層技術・GAAトランジスタ・超微細露光技術など次世代技術や、AIを活用した工場管理手法といった詳解が追加されています。

半導体業界志望の新卒・転職者や製造現場の改善を担うエンジニアにおすすめです。

図解入門よくわかる最新半導体の基本と仕組み

引用:秀和システム

「図解入門」シリーズは、半導体の基礎や製造プロセスを図解でわかりやすく解説する入門書として高い評価を受けています。
本書は、半導体の誕生から半導体材料の特性(シリコンの性質・P型/N型半導体)、LSIの設計・製造プロセス、最新デバイスまでを体系的に解説しています。

半導体の基礎技術から最新情報まで、知識ゼロでも全体像がつかめる構成となっています。
章ごとに図や工程図を豊富に掲載し、初心者でも理解しやすい内容です。

半導体業界・ビジネス関連

図解即戦力 半導体業界の製造工程とビジネスがこれ1 冊でしっかりわかる教科書

引用元:技術評論社

本書は、半導体業界の構造や製造プロセス、ビジネス動向まで、図解で体系的に学べる定番の入門書です。

半導体業界の歴史や最新動向、国際競争力、サプライチェーンの課題、各企業の特徴、将来性など、ビジネスパーソンが知っておきたいポイントも解説。
業界全体を俯瞰したい方に最適です。

半導体業界への就職や転職を考える学生・社会人にとって、業界研究にも有用な情報がまとめられています。

新・半導体産業のすべて AIを支える先端企業から日本メーカーの展望まで

引用元:ダイヤモンド社

「半導体産業のすべて」は、半導体業界の市場規模、成長要因、最新技術、課題、そして今後の展望まで、産業全体の構造と現状を体系的に解説する書籍です。
著者は、前述の「新・半導体工場のすべて」と同じ菊地正典氏で、本書も全面的にアップデートされました。

複雑な産業構造と関連企業を半導体の製造工程にそって網羅的に解説しています。
生成AI以後の激変を反映し、新章として「半導体の先端技術の動向」と「世界の半導体トップ企業38社」の解説が追加されています。

半導体業界を網羅的に理解したいビジネスパーソンや学生、技術者に最適な一冊です。

半導体プロセス

図解入門 よくわかる最新半導体プロセスの基本と仕組み

引用元:秀和システム

本書も「図解入門」シリーズで、シリコンが半導体になるまでの製造工程を俯瞰し、プロセスごとの詳細を図解で解説しています。

256ページのボリュームで、工程ごとのポイントや最近の動向もカバーしています。

半導体の仕組みや製造工程を基礎から体系的に学びたい方、ビジネスや技術の現場で全体像を把握したい方に最適な入門書です。

まとめ

半導体は非常に幅広い分野をカバーしており、物理・化学の基礎から、製造技術、国際的なビジネス戦略にまで及びます。

本記事で紹介した書籍を活用し、半導体の知識を体系的に身につけて、業界でのスキルアップやキャリア形成にぜひ役立ててください。

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【半導体製造装置メーカー】日立ハイテクの特徴を徹底解説https://semicon-blog.com/hitachi-hightech/Sun, 04 May 2025 07:19:26 +0000https://semicon-blog.com/?p=1301

日立ハイテクは、半導体製造装置、医療機器、分析機器など高度な技術製品を提供するリーディングカンパニーとして、グローバルに事業を展開しています。 測長SEMでは世界シェア70%以上を誇り、臨床検査用自動分析装置でも高い評価 ... ]]>

日立ハイテクは、半導体製造装置、医療機器、分析機器など高度な技術製品を提供するリーディングカンパニーとして、グローバルに事業を展開しています。

測長SEMでは世界シェア70%以上を誇り、臨床検査用自動分析装置でも高い評価を受けています。

本記事では、日立ハイテクの特徴を徹底解説します。

日立ハイテクの基本情報

日立ハイテクは、日立グループの中核企業の一つで、ナノテクノロジー、ヘルスケア、産業インフラなどの分野で先進的な製品とサービスを提供しています。

1947年4月12日に日之出商会として設立されました。その年の10月には、日製産業株式会社に社名変更されています。2001年に日製産業と日立製作所の計測器・半導体製造装置部門が統合して誕生しました。

なお、2020年5月18日に日立製作所による株式売渡請求が承認され、日立ハイテクが日立製作所の完全子会社となり、東京証券取引所市場第一部から上場廃止となりました。

会社情報

主な会社情報は下記の通りです。

設立1947年4月12日
事業分野ナノテクノロジーソリューション
ヘルスケアソリューション
コアテクノロジーソリューション
産業・社会インフラソリューション
本社東京都港区虎ノ門一丁目17番1号 虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー
資本金79億3,848万525円(2025年3月31日現在)
決算業績売上収益 6,704億円(2024年3月期)
従業員​連結15,083名、単独6,657名(2024年6月時点)
平均年収1,024万円
URLhttps://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/
2025年4月現在

事業分野

日立ハイテクの事業は大きく4つの分野に分かれており、それぞれが特徴的な製品やソリューションを提供しています。

  • ナノテクノロジーソリューション
    半導体製造プロセスにおける加工・計測・検査工程をカバーする製品ラインアップを提供しています。特に測長SEMでは世界トップシェアを誇り、高精度な微細加工を実現するプラズマエッチング装置や欠陥検査装置などの半導体製造装置を手がけています。
  • ヘルスケアソリューション
    「診断×治療×デジタル」の融合により、高品質・高効率な医療の実現を目指しています。診断分野では世界トップクラスの臨床検査用自動分析装置やゲノム医療に貢献するキャピラリー電気泳動シーケンサーを提供し、治療分野では粒子線やX線などの放射線治療システムを展開しています。
  • コアテクノロジーソリューション
    「解析・分析」のコア技術を起点に、環境問題や安全安心といった社会課題の解決に貢献しています。電子顕微鏡(SEM・TEM・FIB)、光度計、蛍光X線分析装置、熱分析装置、液体クロマトグラフなど、研究開発から製造・品質管理の工程まで幅広い分析機器を提供しています。
  • 産業・社会インフラソリューション
    通信インフラ、電池ライフサイクル、検査・測定装置、デジタル、半導体、モビリティ、環境・エネルギーなど幅広い分野でソリューションを提供しています。商事ビジネスで培ったグローバルネットワークや、協創パートナー、日立グループ内での連携を活かし、顧客のバリューチェーンやサプライチェーンにおける課題解決を支援しています。

日立ハイテクの特徴

半導体製造装置と分析機器で世界トップクラス

日立ハイテクは、半導体検査・計測装置、電子顕微鏡(SEM、TEM)、分析機器(クロマトグラフ、分光光度計など)で高い世界シェアを持っています。特に、測長SEMでは世界シェア70%以上を占めています。

精密で高性能な測定技術に強みがあり、半導体分野だけでなくライフサイエンスや素材研究分野でも存在感を発揮しています。

専門商社としての機能

日立ハイテクは、先端材料の商社として培った知見と、部材販売で得た各サプライチェーンでの課題収集力を持ち合わせています。豊富な顧客基盤を活かし、材料開発に欠かせない素材業界のトレンドやニーズの情報提供が可能です。

また、世界27ヶ国で様々なサービスを展開してます。このグローバルな販売ネットワークを起点に、海外に拠点顧客にも材料開発ソリューションを提供することができます。この国際的な展開力が同社の競争力を支えています。

半導体以外にも広がる事業ポートフォリオ

近年は半導体分野だけでなく、医療・バイオ分野(細胞観察装置、臨床検査機器など)や産業機器分野(自動車、素材業界向け)にも注力しており、リスク分散が進んでいます。

競合に比べ、多角的な事業展開とサポート力が差別化ポイントとなっています。

半導体業界への転職におすすめのエージェント

最後に半導体業界に興味がある方や転職を検討している方におすすめの転職エージェントの紹介です。

当ブログがおすすめする転職エージェントは、半導体Jobエージェントです。

出典:半導体Jobエージェント

半導体業界専門の転職エージェントなので、業界に特化した求人の中から提案してもらえるため、効率よく転職活動を進めることができます。

また、半導体業界が未経験でも、ご自身の職歴やスキルによってマッチした求人が見つかると思います。

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まとめ

本記事では、半導体製造装置メーカーの日立ハイテクについて紹介しました。

日立ハイテクは、「分析・計測」「半導体製造装置」「医療機器」という異なる領域を技術力で結び付け、世界の最先端を支える企業です。

競合に比べ、多角的な事業展開とサポート力が差別化ポイントとなっており、特に今後の半導体市場拡大局面でさらなる成長が期待されています。

半導体Jobエージェント

半導体業界専門の転職エージェント

  • 半導体業界に詳しいキャリアアドバイザーが希望をヒアリングして、最適な求人をご提案
  • 非公開求人を多数保有
  • 半導体業界未経験者でも転職が可能

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参考文献

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【円満退職のコツ】上司に退職を伝えるタイミング・注意点を解説!https://semicon-blog.com/job_taisyoku/Sun, 13 Apr 2025 01:59:08 +0000https://semicon-blog.com/?p=1289

「退職したいけど、どう切り出せばいいかわからない…」 「まずは誰に伝えればいい?」 そんな悩みを抱えている方は意外と多いものです。退職を伝えるのは気まずいし、引き止められたらどうしよう…と不安になりますよね。 私は13年 ... ]]>

「退職したいけど、どう切り出せばいいかわからない…」

「まずは誰に伝えればいい?」

そんな悩みを抱えている方は意外と多いものです。退職を伝えるのは気まずいし、引き止められたらどうしよう…と不安になりますよね。

私は13年勤めた自動車関連の会社を退職して、半導体関連の会社に転職しました。

この記事では私の体験をもとに、上司に退職を伝えるベストなタイミングや言い方、注意点をわかりやすく解説します。

トラブルを避け、スムーズに次のステップへ進むためのヒントとしてお役立てください!

退職を伝えるタイミング

まずは口頭で直属の上司に退職の意志を伝えましょう。メールやチャットで済ませるのはNGです。人目が気になる場合は「ご相談があります。お時間をいただけますか?」と話す機会を設けましょう。

法律的には「2週間前の申し出」で退職は可能ですが、会社の引き継ぎや人事手続きの都合を考えると、1〜3か月前に伝えるのがベストです。急な退職は後任者の手配や業務の引き継ぎなどが間に合わない可能性が高くなるので、余裕を持って伝えるようにしましょう。

さんのう
さんのう

私の場合は、残業後のオフィスで係長と2人きりのタイミングに退職の意志を伝えました。

時期は引き継ぎや有給消化のことを考えて、退職の3ヶ月前でした。

上司への伝え方

退職理由は細かく話す必要はありません。「キャリアアップ」「スキルアップ」など、ポジティブかつ簡潔にまとめるのがポイントです。円満に退職するためにも不平不満は避けてください。もし引き止められたとしても、感謝の言葉を述べつつ、決意が固いことをしっかり伝えましょう。

理由別のおすすめの伝え方
  1. 就業環境や待遇に不満がある場合
    • 子育て(親の介護)の時間を確保するため、業務量の調整が利く仕事に移りたい
    • インセンティブの割合が大きい会社で通用するか挑戦したい
  2. 仕事内容に不満がある場合
    • toBではなくtoCの業務に携わりたい
    • 海外案件に携われる会社に転職したい
  3. やりたいことへの挑戦を理由に退職する場合
    • 自身のキャリアを実現するためという計画的な理由としてストレートに伝える
    • 「今の職ではやりたいことが実現できない」という説明を加える
  4. 家庭事情が理由の場合
    • ストレートに伝えることで同意を得やすい
    • 詳細を話したくない場合は「家庭の事情により、家族と相談して決めました」と伝える

転職を伝える際の注意点

退職を伝える際の注意点を詳しく解説します。円満退職を目指すためには、以下のポイントに留意する必要があります。

  1. ネガティブな理由(会社への不満など)は避ける
    会社や同僚への不満(例: 給与が低い、職場環境が悪いなど)を理由にすると、引き止められる可能性が高まります。「新しい環境で成長したい」「キャリアアップを目指したい」など前向きな理由に置き換えます。
  2. 曖昧な理由を避ける
    「退職を考えている」「検討中」などの表現は、退職意思が固まっていないと受け取られ、交渉が長引く原因になります。明確な意思表示が重要です。
  3. 転職先については詳細を述べない方が無難
    転職先や次のステップについて具体的に話す必要はありません。必要以上に情報を開示するとトラブルになる可能性があります。
  4. 繁忙期や重要なプロジェクト中は避ける
    会社の状況に配慮したタイミングで伝えることで、円満退職につながります。

どうしても自分で言えないときは「退職代行」も選択肢に

職場に言い出せない、精神的に限界という場合は、退職代行サービスを利用するのも一つの方法です。

おすすめの退職代行サービスは、スムーズな退職をサポートする「退職代行モームリ」です。

退職代行モームリは、「もうムリだ」と感じた人が安心して退職できるよう支援する退職代行サービスです。法律の専門家監修のもと、労働者の権利を守りながら、迅速かつ確実な退職を実現します。

主な特徴は次の5つです。

  1. 退職できなかった場合の全額保証
    退職成功率100%を継続中ですが、万が一退職できなかった場合は全額返金されます。
  2. 弁護士監修で法的にも安心
    法律事務所の監修を受けた業務を行っており、法的にも適切な対応を徹底しています。違法行為を防ぎながら、安全に退職を進められるのが大きな安心ポイントです。
  3. 労働組合との提携で交渉も可能
    労働組合と連携しているため、会社との団体交渉権を活用して、退職に関するさまざまなやり取りを代行可能です。
  4. 即日対応・LINE相談もOK
    LINEや電話、メールでいつでも相談でき、即日対応しています。
  5. 退職や勤務に関しての相談は何度でも何時間でも無料
    退職や勤務に関しての疑問や悩みは無料で相談できます。
さんのう
さんのう

退職について悩みがあれば、一度相談してみましょう。

退職代行モームリはこちら

まとめ

退職を切り出すのは勇気がいることですが、あなたの人生はあなたのものです。礼儀を持って伝えれば、ほとんどの場合は円満に退職できます。

迷ったらこの記事のポイントを参考にして、少しずつ準備を始めてみましょう。未来に向かって一歩踏み出すあなたを、応援しています!

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太陽電池とは?仕組み・種類・特徴を徹底解説https://semicon-blog.com/solar-cells/Sun, 09 Mar 2025 08:03:22 +0000https://semicon-blog.com/?p=1264

太陽電池とは、太陽の光エネルギーを直接電気に変換するデバイスのこと指し、半導体の技術が応用されています。 近年、再生可能エネルギーへの関心が高まる中で、太陽電池による太陽光発電はクリーンで持続可能なエネルギー源として注目 ... ]]>

太陽電池とは、太陽の光エネルギーを直接電気に変換するデバイスのこと指し、半導体の技術が応用されています。

近年、再生可能エネルギーへの関心が高まる中で、太陽電池による太陽光発電はクリーンで持続可能なエネルギー源として注目されています。

本記事では、太陽電池の基本的な仕組みや種類、特徴について詳しく解説します。

太陽電池の仕組み

太陽光発電は、太陽の光エネルギーを利用して電気を生成する技術です。

発電をする太陽電池は、電気的な性質が異なるp型半導体とn型半導体が使われています。これらの半導体を重ね合わせる(pn接合する)ことで、光エネルギーが加わったときに電子と正孔が生成され、これが電流の流れを生む仕組みとなります。これを光起電力効果と呼びます。この効果により、光エネルギーが電気エネルギーに直接変換されます。

太陽電池による発電は、次の流れで行われます。

太陽光の吸収

太陽光パネルが太陽光の光エネルギーを吸収します。

電子の励起

吸収された光エネルギーにより、半導体材料内の電子が励起されます。これにより、自由に動ける伝導電子と正孔が生成されます。

電子と正孔の分離

太陽電池内部のpn接合によって形成された内部電界により、励起された電子と正孔が分離されます。電子はn型半導体側へ、正孔はp型半導体側へ移動します。

電流の発生

この電子と正孔の移動により、電流が発生します。

太陽電池の種類

太陽電池は主に以下の3つの大きな分類に分けられます。

シリコン系太陽電池

  • 単結晶シリコン:高純度シリコンを使用し、変換効率が高く(~20%)、信頼性も高いが、高価です。
  • 多結晶シリコン:小さい結晶が集まった構造で、単結晶より低コストで、現在最も普及しています。変換効率は~15%です。
  • アモルファスシリコン:結晶化していないシリコンを使用し、低コストですが、変換効率も低く(~9%)なっています。

化合物半導体系太陽電池

  • CIGS:銅、インジウム、セレンにガリウムを加えたCIGSは、低コストで比較的良い変換効率(~13%)を持ちます。
  • CdTe:カドミウムとテルルを原材料とし、主に欧米で普及しています。変換効率は~11%です。
  • GaAs:ガリウムとヒ素を使用し、高効率(25%程度)ですが高価で、主に人工衛星などに使用されます。

有機系太陽電池

  • 有機薄膜:有機半導体を材料とし、製造コストが安いですが、変換効率は低め(~8%)です。
  • 色素増感:低価格な材料で製造可能ですが、製品寿命などに課題があります。変換効率は~11%です。
  • ペロブスカイト:「ペロブスカイト」と呼ばれる結晶構造の材料を使った新しい種類の太陽電池で、次世代の太陽電池として注目されています。

太陽電池の特徴

太陽電池による発電には、次のような特徴があります。

  • 環境に優しい
    化石燃料を使用せず、発電時にCO2を排出しないため、地球温暖化対策になります。
  • 電気代の節約
    発電した電力を自家消費することで電力会社からの電気購入量を削減でき、電気代を節約できます。
  • 売電による収益
    余った電力を電力会社に売ることで収益を得ることができます。
  • 災害時の電力確保
    非常用電源として活用でき、停電時でも一定の電力供給が可能です。
  • 初期投資が高い
    パネルやインバーターの設置に多額の費用がかかるため、導入コストがネックになります。
  • 天候に左右される
    発電量が天候に依存し、日照時間が短い地域や曇り・雨の日には効率が低下します。
  • 設置スペースの確保が必要
    十分な発電量を得るためには広い設置面積が必要です。

まとめ

太陽電池は半導体の技術を応用して、光エネルギーを電気エネルギーに変換しています。

太陽光発電は環境に優しい再生可能エネルギーとして注目されており、発電の仕組みを理解することで環境に対する意識を持つことができます。

多くの人が太陽光発電を活用することで、電気代の削減や、持続可能なエネルギー社会に貢献することができるでしょう。

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半導体の最終検査の解説と主な装置メーカーを紹介https://semicon-blog.com/final-test/Sun, 16 Feb 2025 05:02:48 +0000https://semicon-blog.com/?p=1247

半導体の最終検査(Final Test)は、製造されたICチップが設計通りに動作するかを確認する最終段階の検査工程です。 半導体デバイスの品質を確保し、不良品を市場に出さないために非常に重要なプロセスとなります。 今回は ... ]]>

半導体の最終検査(Final Test)は、製造されたICチップが設計通りに動作するかを確認する最終段階の検査工程です。

半導体デバイスの品質を確保し、不良品を市場に出さないために非常に重要なプロセスとなります。

今回は、半導体の最終検査の概要と、検査装置を提供する主要メーカーについて解説します。

最終検査とは

半導体の最終検査(Final Test)は、製品が出荷される直前に行われる重要なプロセスです。

最終検査は、チップの初期不良の有無や電気的特性の合否判定を検査し、出荷をしてもよいかを判断します。初期不良品を効率的に除去し、製品の品質を向上させます。

最終検査の主な目的は、次の4つです。

  • 電気的特性の確認:回路が正しく動作するかチェック
  • 製品の信頼性テスト:環境ストレスや長時間使用に耐えられるか検証
  • 外観検査:パッケージに欠陥がないか確認
  • 分類と選別:動作特性に応じてグレード分類

これらの検査の基準を満たしたものだけが製品として出荷されます。

最終検査の主な工程

ファンクション試験

半導体デバイスが設計通りに正しく動作するかを確認するための試験です。

この試験では、デバイスの基本的な論理回路機能が期待通りに機能するかをチェックします。具体的には、設計段階で作成されたテストパターンをデバイスに適用し、その出力が期待される値と一致するかどうかを確認します。

試験により、不良品を早期に発見し、製品の信頼性を向上させることができます。

ファンクション試験は、半導体製品が設計通りに動作することを保証するために不可欠です。

バーンイン試験

バーンイン試験は、半導体デバイスの初期不良低減を目的として行う試験です。劣化予測のためのデータ取得も可能です。

この試験では、デバイスに高温と高電圧のストレスを加えることで擬似的な経過変化を起こし、初期故障を加速し、短時間で不良品を除去します。

バーンイン試験には、スタティックバーンインとダイナミックバーンインの2種類があります。

スタティックバーンインは、半導体デバイスをスタティック状態(スタンバイ状態)で試験し、DC的な電圧ストレスを加えることで初期不良を除去する方法です。この試験では、デバイス内部の各ノード電位を固定し、絶縁膜などに電圧ストレスを印加して、リーク電流の増加や動作速度の劣化、しきい値電圧の変動などによる不良品を除去しま。

ダイナミックバーンインは、半導体デバイスに高温と高電圧のストレスを加えながら、動作状態で試験を行う方法です。この試験では、電源電圧と入力信号パルスを与えてデバイスを動作させ、初期故障を加速し、不良品を除去します。特に、市場での使用状態に近づけたスクリーニングが可能で、コンタクトや多層配線の欠陥による不良品を効果的に検出できます。

外観検査

高解像度カメラや画像処理システムを使用して、パッケージの外観を確認します。

半導体パッケージ表面の傷やクラック、汚れや異物の付着などの不良や、リードの曲がりがないかをチェックします。

最終検査装置の主なメーカー

半導体の最終検査には高度なテスト装置が必要となります。

主なテスト装置のメーカーは、次の2社です。

アドバンテスト

アドバンテストは、日本を拠点とする半導体製造装置メーカーで、特に半導体テスト装置に強みを持っています。

ウェーハテストからパッケージ後のファイナルテストまで、モリやSoC、HPCデバイスなど、多様な半導体を試験可能なテストシステムを提供しています。

また、チップを搬送するハンドラや、テストシステムとデバイスを接続する機器も製造しています。

 高精度な測定技術と設計力が強みで、自社で半導体の設計を行い、テストシステムの性能向上に貢献しています。

テラダイン

テラダイン(Teradyne)は、米国を拠点とする自動試験装置(ATE)の大手メーカーで、特に半導体テスト装置に強みを持っています。

主に半導体テスタを製造し、デジタル/ミックスドシグナル、ワイヤレス、メモリ、パワー・エレクトロニクスなど幅広い分野で利用されています。

高性能で高速なテストシステムを提供し、複数の工程を一台で効率的に行えるように設計されています。

まとめ

半導体の最終検査は、製造されたICチップの品質を保証するために不可欠なプロセスです。

電気的特性試験、製品の信頼性テスト、外観検査などを通じて、不良品を除去することで、信頼性の高い製品を出荷することができます。

参考文献

  • 浅田邦博、パワーデバイス・イネーブリング協会「はかる✕わかる半導体 入門編 改訂版」、日経BPコンサルティング(2020/12/14)
  • エレクトロニクス市場研究会「図解即戦力 半導体業界の製造工程とビジネスがこれ1 冊でしっかりわかる教科書」、技術評論社 (2022/3/2)
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半導体の製造における歩留まりとは?初心者向けにわかりやすく解説https://semicon-blog.com/yield_rate/Thu, 30 Jan 2025 13:36:17 +0000https://semicon-blog.com/?p=1231

半導体業界における「歩留まり(yield rate)」とは、製造された半導体のうち、使用可能な良品の割合を指します。 歩留まりは、製造効率や収益性を示す重要な指標であり、業界全体の競争力や技術力を評価する基準にもなります ... ]]>

半導体業界における「歩留まり(yield rate)」とは、製造された半導体のうち、使用可能な良品の割合を指します。

歩留まりは、製造効率や収益性を示す重要な指標であり、業界全体の競争力や技術力を評価する基準にもなります。

私はもともと自動車業界にいましたが、歩留まりという言葉は使わず、不良率という言葉を使っていました。業界によって良品を基準にするか、不良品を基準にするかの違いがあるようです。

今回は、半導体製造における歩留まりについて解説します。

歩留まりとは

歩留まりとは、製造業など生産活動全般において、原料や素材の投入量に対して実際に得られた生産数量の割合のことをいいます。

歩留まりが高いほど、生産効率が良く、原材料や資源の無駄が少ないことを意味します。また、歩留まりを改善することで、原材料コストの削減や生産性の向上、利益率の改善につながります。

歩留まりは、良品数÷総生産数×100で算出されます。

例えば、100個の半導体チップを製造し、そのうち90個が正常に動作した場合の歩留まりは 90% です。

歩留まりの重要性

歩留まりが高いほど製造効率が良いとされ、以下の理由から半導体産業において極めて重要です。

  1. コスト削減:歩留まりが高いほど、製造コストを抑えることができ、収益性が向上します。逆に、歩留まりが低いと不良品が増え、原材料や工程コストが無駄になります。
  2. 製品の品質向上:高い歩留まりは、製造プロセスの品質や安定性の証明となり、顧客からの信頼を得ることができます。
  3. 競争力の向上:半導体業界は高い技術力が求められるため、歩留まりを向上させることで、他社との差別化が可能です。

歩留まりに影響を与える要因

半導体製造の歩留まりは以下の要因によって左右されます。

  1. クリーンルーム環境:微細な粒子や汚染物質がウェーハ上に付着すると、リソグラフィーやドライエッチングなどの工程で回路パターンのショートや切断を引き起こす原因になります。
  2. 製造プロセスの精度:フォト工程では、ナノレベルの加工精度が求められるため、わずかな誤差が不良につながります。

半導体製造における歩留まり

工業製品の歩留まりが低い物の代表格には半導体製品です。

半導体製品はシリコンウェーハ上に微細な回路を形成していきます。微細な粒子や製造プロセスの精度の影響で歩留まりが悪くなると、製造コストが高くなり、価格も高くなってしまいます。

そのため、半導体メーカーは歩留まりを改善するために様々な工夫をしています。この記事ではCPUを例に解説します。

ダイサイズを小さくする

ダイサイズを小さくすることで歩留まりは改善します。

例えば同じサイズのシリコンウェーハの上に同じ数の異物が付着したとします。

ダイサイズが大きいと異物の影響を受ける面積が多くなり、結果的に歩留まりが低下します。

一方で、ダイサイズが小さいと異物の影響を受ける面積が小さくなります。また、1枚のシリコンウェーハから製造できるチップの数が増えるので、歩留まりが高くなります。

しかし、ダイサイズを小さくして性能を維持または高めるためには集積密度を高めていく必要があります。半導体の微細化については、ムーアの法則が関係します。

冗長性を持たせる

歩留まりを改善するには、冗長性を持たせるという方法があります。

冗長性とは、余分や重複がある状態、余裕を持たせるという意味です。

CPUの場合は、コアの数を多めに作っておき、コアの一部に不具合があった場合はそのコアを無効化します。こうすることで、ダイの一部に不良があった場合でもコアの数を減らした下位モデルの製品として販売することができます。

選別をする

CPUは性能のテストをして、テストの結果によりグレードの選別をします。

高い基準に合格したものをハイエンドモデルとして販売し、不合格となったものは動作周波数を下げるなどをしてメインストリームモデルやエントリーモデルとして販売しています。

こうすることにより、単一の生産ラインからさまざまなグレードの製品を出荷でき、市場の需要を満たすことができます。

また、同じグレードのCPUの中でも個体差があり、アタリやハズレがあります。アタリのものはオーバークロック耐性が高かったりします。

まとめ

半導体製造における歩留まりの向上は、製造コストの削減、製品品質の向上、そして企業の競争力強化に不可欠です。

微細化が進む中で歩留まりの維持・向上はますます難しくなりますが、技術革新や品質管理の徹底により、多くの企業がその課題に挑んでいます。

参考文献

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半導体(IC)パッケージの概要と種類について解説https://semicon-blog.com/semicon_package/Sun, 19 Jan 2025 01:02:25 +0000https://semicon-blog.com/?p=1156

半導体(IC)パッケージは、半導体チップを外部環境から保護や放熱、電気的に外部回路と接続する役割を担っています。電子機器の進化に伴い、パッケージ技術も小型化・高密度化・高性能化が求められています。 本記事では、半導体パッ ... ]]>

半導体(IC)パッケージは、半導体チップを外部環境から保護や放熱、電気的に外部回路と接続する役割を担っています。電子機器の進化に伴い、パッケージ技術も小型化・高密度化・高性能化が求められています。

本記事では、半導体パッケージの概要、主な役割、そして代表的な種類について分かりやすく解説します。

半導体パッケージの概要

半導体パッケージは、製造された半導体チップを保護し、基板やその他の回路に接続するためのケースのことです。

プラスチックやセラミック、金属といった素材でできており、下面や側面に接続用の金属端子(リード)が配置されています。プリント基板上のソケットに差し込んだり、はんだ付けすることで実装します。

主に、以下のような役割を担っています。

  • 物理的保護:チップを外部環境(湿気、衝撃、熱など)から保護します。
  • 電気的接続:チップと外部回路を電気的に接続します。
  • 熱管理:デバイスが発生する熱を放散し、過熱を防ぎます。

半導体パッケージの種類

半導体パッケージは、デバイスとプリント基板との接続の仕方により、大きく「挿入実装型」と「表面実装型」に分類されます。

出典:京セラ

挿入実装型

プリント基板にリードを貫通させるように挿入するタイプのパッケージです。代表的な挿入実装型のパッケージは、次のようなものがあります。

  • SIP (Single Inline Package):リードがパッケージの1側面から出ており、リードが1列に並んでいる構造です。パッケージの側面に放熱板を取り付けられます。小規模なICに使用されてます。
  • ZIP (Zigzag Inline Package):リードがパッケージの1側面から交互にジグザグ状に並んでいる構造です。SIPよりも同じリード数でコンパクトにできます。
  • DIP (Dual Inline Package):長方形のパッケージで、リードが2側面から出ている構造です。アナログICや小規模デジタルICに使用されています。
  • PGA (Pin Grid Array):ピンがパッケージの底面に格子状に配列されたパッケージです。パッケージ側面から端子を出す形状に比べて多くの接続端子が配置できます。

表面実装型

プリント基板の表面の電極パッドにリードを接触させ、固定するタイプのパッケージです。代表的な表面実装型のパッケージは、次のようなものがあります。

  • SOP (Small Outline Package):リードがパッケージの2側面から出ており、リード形状がガルウィング型の構造です。
  • SOJ (Small Outline J-leaded package):リードがパッケージの2側面から出ており、リード形状がJ字形の構造です。SOPよりもリードが変形しにくく、実装面積が小さくできる利点があります。
  • QFP (Quad Flat Package):リードがパッケージの4側面から出ており、リード形状がガルウィング型の構造です。
  • QFJ (Quad Flat J-leaded package):リードがパッケージの4側面から出ており、リード形状がJ字形の構造です。QFJよりもリードが変形しにくく、実装面積が小さくできる利点があります。
  • LCC (Leadless Chip Carrier):底面の4辺に電極パッドを配置した構造です。
  • BGA (Ball Grid Array):ボール状のはんだ(はんだボール)がパッケージの底面に格子状に配列された構造です。小型・高密度化が可能で、放熱性が高いです。高性能プロセッサやGPUに使用されます。
  • LGA (Land Grid Array):ランドがパッケージの底面に格子状に配列された構造です。BGAと異なり、ソケットによる実装が可能です。

まとめ

半導体パッケージは、デバイスの性能を最大化しつつ、信頼性を高める重要な役割を果たしています。パッケージの種類は、用途や性能に応じて選択されます。

様々な種類があり、名称と形状を一致させて覚えるのは難しいとは思いますが、代表的なパッケージは覚えておいてもいいと思います。

参考文献

  • 浅田邦博、パワーデバイス・イネーブリング協会「はかる✕わかる半導体 入門編 改訂版」、日経BPコンサルティング(2020/12/14)
  • 京セラ「半導体(IC)パッケージとは

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半導体のモールディングの解説と主な装置メーカーを紹介https://semicon-blog.com/molding/Sun, 05 Jan 2025 00:03:35 +0000https://semicon-blog.com/?p=1203

ワイヤーボンディングが終わったら、樹脂で固めることで半導体のパッケージは完成です。 これまでの工程で製造された半導体チップは、非常に繊細で衝撃や汚染にとても弱いです。モールディングは、半導体チップを外部環境から保護し、耐 ... ]]>

ワイヤーボンディングが終わったら、樹脂で固めることで半導体のパッケージは完成です。

これまでの工程で製造された半導体チップは、非常に繊細で衝撃や汚染にとても弱いです。モールディングは、半導体チップを外部環境から保護し、耐久性や信頼性を向上させるために行われます。

今回は、チップを保護するモールディングの概要、そして主な装置メーカーについての解説です。

モールディングとは

モールディング(Molding)は、ワイヤーボンディングが終わったチップを外部環境から保護するためにエポキシ樹脂などを用いて封止するプロセスです。

この工程の目的は、以下のような半導体デバイスの保護です。

  • 物理的保護: 外部からの衝撃や摩耗を防ぐ。
  • 電気的絶縁: チップ表面や配線を外部の電気的干渉から守る。
  • 環境耐性向上: 温度、湿気、化学物質などからの影響を軽減。

モールディングの工程

モールディングは、主に以下のような手順で行われます。

リードフレームを下部金型にセットする

ボンディング工程で接続されたリードフレームとチップを160~180度に加熱された下部金型にセットし、上部金型で蓋をします。上部金型に圧力をかけて、金型とリードフレームを密着せます。

ポット部から樹脂を投入する

ポット部から金型の間に熱硬化性エポキシ樹脂を投入し、プランジャで押し込みます。投入時のエポキシ樹脂は固形ですが、金型の熱によって液状になります。

樹脂を硬化させる

プランジャによる加圧でエポキシ樹脂を金型全体に行き渡らせたあとは、エポキシ樹脂が硬化するまでそのままの状態を保持して待ちます。

リードフレームを取り出す

樹脂が硬化したら金型を外し、所定の温度で加熱することで樹脂を完全に硬めます。

モールディングの種類

モールディングにはいくつかの種類があり、デバイスの用途や形状に応じて選択されます。

トランスファーモールド

上記で解説した方式がトランスファーモールドです。

最も一般的な方法で、溶融した樹脂をプランジャで金型に圧送し、硬化し封止する方法です。大量生産に適しています。

コンプレッションモールド

金型に液状もしくは顆粒状の樹脂を入れ、溶融した後にチップを浸し入れて樹脂成形する樹脂封止方法です。

主な装置メーカー

モールディング装置の主要なメーカーには以下のような企業があります。

TOWA株式会社

TOWA株式会社は、半導体製造装置と超精密金型の開発・設計・製造・販売を主な事業とする京都に本社を置く企業です。

世界に先駆けてマルチプランジャでの全自動半導体樹脂封止装置を開発して以来、半導体モールディング市場において、リーディングカンパニーであり続けています。また、最先端封止技術として新たに開発したコンプレッション方式で、市場のニーズを先取りしています。

モールディング市場において、世界シェア60%以上を占めるグローバルリーダーです。

アピックヤマダ株式会社

アピックヤマダ株式会社は、特にモールディング装置の開発・製造・販売を行う企業です。現在はヤマハロボティクスホールディングスの傘下にあります。

日本で初めて半導体チップをパッケージングする樹脂封止金型を開発・製造しました。

まとめ

モールディングは、半導体チップを外部環境から保護し、性能を最大限に発揮させるために不可欠な工程です。

これで半導体のパッケージとしての形は完成しました。

最後にファイナルテストを行い、半導体の性能を評価して製品として出荷することになります。

参考文献

  • 佐藤淳一「図解入門 よくわかる半導体プロセスの基本と仕組み」、秀和システム (2020/8/29)
  • エレクトロニクス市場研究会「図解即戦力 半導体業界の製造工程とビジネスがこれ1 冊でしっかりわかる教科書」、技術評論社 (2022/3/2)
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【半導体製造装置メーカー】ディスコの特徴を徹底解説https://semicon-blog.com/disco/Mon, 30 Dec 2024 04:46:24 +0000https://semicon-blog.com/?p=1185

ディスコは、半導体製造装置メーカーの中でも特に「ダイシング」や「研削」などのプロセスに特化した企業です。 高い技術力により、ダイシング装置の分野では世界市場の約70%のシェアを占めています。また、高年収の企業としても有名 ... ]]>

ディスコは、半導体製造装置メーカーの中でも特に「ダイシング」や「研削」などのプロセスに特化した企業です。

高い技術力により、ダイシング装置の分野では世界市場の約70%のシェアを占めています。また、高年収の企業としても有名で、年収は1,000万円を超えています。

本記事では、ディスコの特徴について詳しく解説します。

ディスコの基本情報

ディスコの主な事業内容は、ダイシングソーやグラインダーなどの半導体製造装置の製造・販売と、ダイシングブレードなどの製造・販売です。特にダイシングソーとグラインダーは、世界トップクラスのシェアを誇ります。

ディスコは、1937年5月に工業用砥石メーカーの「第一製砥所」として創業しました。1940年に組織を有限会社第一製砥所に変更し、本社を東京都神田に移転しました。その後、電力計メーカーからの依頼で厚さ1.2ミリの高精度薄型砥石を開発しました。更に砥石の薄型化をさらに進め、1968年に厚さ40ミクロンの超極薄砥石「ミクロンカット」の開発に成功しました。しかし、加工中に砥石が割れるというクレームが発生しました。世の中に高精度の砥石を扱える切断装置が無かったので、自ら切断装置を開発することになりました。

このように、事業内容が砥石メーカーから砥石を用いた精密加工装置メーカーへと変化してきたことから、1977年に英語社名の「Dai-Ichi Seitosho CO., Ltd.」の頭文字をとって、社名を「DISCO」に変更しました。

会社情報

主な会社情報は下記の通りです。

設立1940年3月2日
上場1989年10月31日
事業内容1. 精密加工装置の製造ならびに販売
2. 精密加工装置のメンテナンスサービス
3. 精密加工装置のオペレーションやメンテナンスの研修サービス
4. 精密加工装置の解体リサイクル事業
5. 精密加工装置のリースおよび中古品売買
6. 精密加工ツールの製造および販売
7. 精密部品の有償加工サービス
業種名機械
本社東京都大田区大森北2-13-11
従業員連5,179名 単3,451名
平均年齢37.0歳
平均年収1,507万円
URLhttps://www.disco.co.jp
2024年12月現在

直近の業績

直近3年の業績です。

売上高営業利益経常利益利益
2022.3253,78191,51392,44966,206
2023.3284,135110,413112,33882,891
2024.3307,554121,490122,39384,205
※単位は百万円

売上高、利益ともに右肩上がりになっています。

今後も、AI半導体向けに業績の拡大が見込まれています。

ディスコの特徴

「切る」「削る」「磨く」の3種類の加工に特化

ディスコは、「切る」「削る」「磨く」の3つの技術に特化して事業を展開しています。

「切る」加工とは、半導体製造工程におけるダイシングにあたります。ダイシングは後工程の第一段階で、シリコンウェーハを集積回路ごとの細かいチップに切り離す工程です。ディスコのダイシングソーは、1/10000 mmレベルの寸法をコントロールし、割れ・欠けを抑えた品質で、小さく切ることができます。

出典:ディスコ

「削る」加工とは、半導体製造工程におけるバックグラインディングにあたります。シリコンウェーハは、半導体製造プロセスに耐えうる剛性を保つために、直径150 mm(6インチ)の場合は厚さ0.625 mm、200 mm(8インチ)では厚さ0.725 mm、300 mm(12インチ)では厚さ0.775 mmとされています。しかし、パッケージングする時には、この厚みは必要ないので裏面を研削します。ディスコのグラインダーでは、5 µmレベルまで薄く削ることが可能です。

出典:ディスコ

「磨く」加工とは、半導体製造工程におけるバックグラインディング後のストレスリリーフにあたります。バックグラインディング後のウェーハは残留する微細なダメージにより割れやすい状態です。ストレスリリーフは、微細なダメージ層を除去することでウェーハは割れにくくする効果があります。

出典:ディスコ

高い市場シェア

ディスコのダイシングソーは70%の市場シェアを持っており、2位の東京精密の19%を大きく引き離しています。また、グラインダーも60~70%のシェアがあります。

出典:経済産業省 マイクロエレクトロニクスに係る産業基盤実態調査

シリコンウェーハの加工には、高い技術力が求めれれます。ディスコは、「切る」「削る」「磨く」の3つの技術に特化した結果、競合他社よりも優れた製品を多くの半導体メーカーに提供しています。

独自の企業文化

ディスコ独自の企業文化や社内制度で、「DISCO VALUES」や「Will会計」があります。

「DISCO VALUES」は、企業としての目指すべき方向性や経営の基本的なあり方、一人ひとりの働き方など、さまざまな観点から「あるべき姿」を明確にした企業理念です。1997年から運用が始まり、項目の追加や見直しをしながら200を超える項目が明文化されています。価値観を共有することで、社員同士や経営者が同じ方向に向かって行動ができるので、強い組織にすることができます。

「Will会計」は、Willという社内通貨を用いて業務やサービス、備品等を金額換算し、収支を管理するものです。Willによる収支の見える化により、社員は客観的・定量的に自分のパフォーマンスを把握することができます。社内の仕事をWillで発注できる「社内オークション制度」や、賞与の一部が所属部門や個人のWill 収支に応じて金額が連動する「Will賞与」といった独自の制度があります。

出典:ディスコ

まとめ

ディスコは、半導体製造工程における「切る」「削る」「磨く」という領域で圧倒的なシェアと技術力を持つ企業です。

また、高い年収と独自の社内制度で、仕事に対するモチベーションを高く維持できる環境が整っていると言えます。

良い待遇を用意することで優秀な人材が集まり、イノベーションがうまれることで、会社としても更に成長していくことでしょう。

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ムーアの法則とは?初心者向けにわかりやすく解説https://semicon-blog.com/moores_law/Wed, 11 Dec 2024 14:53:52 +0000https://semicon-blog.com/?p=1158

パソコンやスマートフォンなどの電子機器は、年々性能を向上させながら、小型化されてきました。 その背景には、ムーアの法則と呼ばれる重要な概念によって半導体技術の進化が支えられてきました。 本記事では、ムーアの法則の意味やそ ... ]]>

パソコンやスマートフォンなどの電子機器は、年々性能を向上させながら、小型化されてきました。

その背景には、ムーアの法則と呼ばれる重要な概念によって半導体技術の進化が支えられてきました。

本記事では、ムーアの法則の意味やその影響について、初心者の方にも分かりやすく解説します。

ムーアの法則とは

ムーアの法則は、「半導体の集積度(チップに搭載できるトランジスタの数)は18~24ヶ月ごとに倍増する」という経験則です。この法則は、1965年にインテルの共同創業者であるゴードン・ムーア氏が提唱しました。これまで、半導体の性能向上を予測する際の指標や、研究開発の目標として広く用いられてきました。

24ヶ月で集積度が2倍になるということは、5年後には5.66倍、10年後には32倍、15年後には181倍、20年後には1024倍ということになります。トランジスタの数が増えると、同じチップサイズでも計算能力が飛躍的に向上し、デバイスがより高性能かつ低コストで製造できるようになります。

出典:Wikipedia

ムーアの法則による影響

ムーアの法則は半導体業界に多大な影響を与え、約50年にわたって技術革新の目標として機能してきました。その主な影響は以下の通りです。

技術革新の加速

半導体企業が2年ごとに集積度を2倍にするという目標に向けて、積極的に技術開発を進めました。

微細化技術の進化には、特に露光技術の革新が欠かせません。これまで半導体業界では、露光装置の光源を波長の短いものへと変更し続け、微細化技術を進化させてきました。露光波長が短いほど、細かいパターニングをすることができ、集積密度を上げることができるからです。最先端の露光技術では、波長が13.5nmの極端紫外線(Extreme Ultraviolet:EUV)を用いたEUV露光装置が実用化されています。

これにより、半導体の微細化技術が急速に進歩し、より高性能な半導体製品が次々と生み出されました。

製品の小型化・高性能化・低電力化

トランジスタの微細化により、電子機器は同じ面積でより多くの機能を実現できるようになり、小型化しながらも高性能化を実現してきました。

これは、トランジスタを小型化するほど、性能も向上するという事実を理論的に示したスケーリング則に基づいています。例えば、トランジスタの寸法を半分にすると、同じ面積に4倍のトランジスタを搭載でき、各トランジスタの消費電力は1/4になります。

また、単位面積あたりのトランジスタ数が増加し、製造コストの低減が実現しました。

これらにより、より安価で高性能な電子機器が一般消費者にも手の届くものとなりました。

ムーアの法則の限界

近年、ムーアの法則が提唱された当初のペースを維持することが難しくなってきています。その理由は、トランジスタのサイズが物理的限界に近づきつつあり、従来のスケーリング則に沿った性能向上は、すでに限界に達しつつあるためです。そこで今日では、「モア・ムーア」と「モア・ザン・ムーア」と呼ばれる、2つの新しい技術開発の方向性に分けて議論されるようになってきました。

「モア・ムーア」と

モア・ムーアとは、新素材や新構造を導入し、従来の半導体の集積化を継続して汎用トランジスタ回路をより高速・高機能化することを目的としています。

特徴としては、最先端の製造ラインを使用して、1nm以下のプロセスや3次元集積化を目指した技術開発を推進しています。これを実現させるには、大規模な設備投資が必要となります。

「モア・ザン・ムーア」とは

一方、モア・ザン・ムーアとは、微細化・集積化に頼らないデバイス性能の向上を目的としてます。

具体的には、半導体チップに不揮発記憶素子やMEMS、各種センサなどの新機能を追加・融合することで、微細化の限界を超えて半導体の性能向上を目指します。

モア・ムーアのような大規模な製造ラインや工場は不要で、製造コストを削減できる可能性があります。また、先進パッケージング技術の活用により、前工程よりも後工程(パッケージング)の重要性が増加しています。

まとめ

ムーアの法則は、半導体業界の進化を支えてきた重要な概念です。

この法則により、私たちは高性能な電子機器を手頃な価格で利用できるようになりました。

しかし、技術的な限界も見え始めており、新しいアプローチが必要となっています。

参考文献

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