SEMICON BLOGhttps://semicon-blog.com半導体業界に転職したエンジニアが日々の学びをアウトプットSun, 13 Apr 2025 01:59:09 +0000jahourly1https://semicon-blog.com/wp-content/uploads/2024/03/cropped-semiblo-32x32.pngSEMICON BLOGhttps://semicon-blog.com3232 【円満退職のコツ】上司に退職を伝えるタイミング・注意点を解説!https://semicon-blog.com/job_taisyoku/Sun, 13 Apr 2025 01:59:08 +0000https://semicon-blog.com/?p=1289

「退職したいけど、どう切り出せばいいかわからない…」 「まずは誰に伝えればいい?」 そんな悩みを抱えている方は意外と多いものです。退職を伝えるのは気まずいし、引き止められたらどうしよう…と不安になりますよね。 私は13年 ... ]]>

「退職したいけど、どう切り出せばいいかわからない…」

「まずは誰に伝えればいい?」

そんな悩みを抱えている方は意外と多いものです。退職を伝えるのは気まずいし、引き止められたらどうしよう…と不安になりますよね。

私は13年勤めた自動車関連の会社を退職して、半導体関連の会社に転職しました。

この記事では私の体験をもとに、上司に退職を伝えるベストなタイミングや言い方、注意点をわかりやすく解説します。

トラブルを避け、スムーズに次のステップへ進むためのヒントとしてお役立てください!

退職を伝えるタイミング

まずは口頭で直属の上司に退職の意志を伝えましょう。メールやチャットで済ませるのはNGです。人目が気になる場合は「ご相談があります。お時間をいただけますか?」と話す機会を設けましょう。

法律的には「2週間前の申し出」で退職は可能ですが、会社の引き継ぎや人事手続きの都合を考えると、1〜3か月前に伝えるのがベストです。急な退職は後任者の手配や業務の引き継ぎなどが間に合わない可能性が高くなるので、余裕を持って伝えるようにしましょう。

さんのう
さんのう

私の場合は、残業後のオフィスで係長と2人きりのタイミングに退職の意志を伝えました。

時期は引き継ぎや有給消化のことを考えて、退職の3ヶ月前でした。

上司への伝え方

退職理由は細かく話す必要はありません。「キャリアアップ」「スキルアップ」など、ポジティブかつ簡潔にまとめるのがポイントです。円満に退職するためにも不平不満は避けてください。もし引き止められたとしても、感謝の言葉を述べつつ、決意が固いことをしっかり伝えましょう。

理由別のおすすめの伝え方
  1. 就業環境や待遇に不満がある場合
    • 子育て(親の介護)の時間を確保するため、業務量の調整が利く仕事に移りたい
    • インセンティブの割合が大きい会社で通用するか挑戦したい
  2. 仕事内容に不満がある場合
    • toBではなくtoCの業務に携わりたい
    • 海外案件に携われる会社に転職したい
  3. やりたいことへの挑戦を理由に退職する場合
    • 自身のキャリアを実現するためという計画的な理由としてストレートに伝える
    • 「今の職ではやりたいことが実現できない」という説明を加える
  4. 家庭事情が理由の場合
    • ストレートに伝えることで同意を得やすい
    • 詳細を話したくない場合は「家庭の事情により、家族と相談して決めました」と伝える

転職を伝える際の注意点

退職を伝える際の注意点を詳しく解説します。円満退職を目指すためには、以下のポイントに留意する必要があります。

  1. ネガティブな理由(会社への不満など)は避ける
    会社や同僚への不満(例: 給与が低い、職場環境が悪いなど)を理由にすると、引き止められる可能性が高まります。「新しい環境で成長したい」「キャリアアップを目指したい」など前向きな理由に置き換えます。
  2. 曖昧な理由を避ける
    「退職を考えている」「検討中」などの表現は、退職意思が固まっていないと受け取られ、交渉が長引く原因になります。明確な意思表示が重要です。
  3. 転職先については詳細を述べない方が無難
    転職先や次のステップについて具体的に話す必要はありません。必要以上に情報を開示するとトラブルになる可能性があります。
  4. 繁忙期や重要なプロジェクト中は避ける
    会社の状況に配慮したタイミングで伝えることで、円満退職につながります。

どうしても自分で言えないときは「退職代行」も選択肢に

職場に言い出せない、精神的に限界という場合は、退職代行サービスを利用するのも一つの方法です。

おすすめの退職代行サービスは、スムーズな退職をサポートする「退職代行モームリ」です。

退職代行モームリは、「もうムリだ」と感じた人が安心して退職できるよう支援する退職代行サービスです。法律の専門家監修のもと、労働者の権利を守りながら、迅速かつ確実な退職を実現します。

主な特徴は次の5つです。

  1. 退職できなかった場合の全額保証
    退職成功率100%を継続中ですが、万が一退職できなかった場合は全額返金されます。
  2. 弁護士監修で法的にも安心
    法律事務所の監修を受けた業務を行っており、法的にも適切な対応を徹底しています。違法行為を防ぎながら、安全に退職を進められるのが大きな安心ポイントです。
  3. 労働組合との提携で交渉も可能
    労働組合と連携しているため、会社との団体交渉権を活用して、退職に関するさまざまなやり取りを代行可能です。
  4. 即日対応・LINE相談もOK
    LINEや電話、メールでいつでも相談でき、即日対応しています。
  5. 退職や勤務に関しての相談は何度でも何時間でも無料
    退職や勤務に関しての疑問や悩みは無料で相談できます。
さんのう
さんのう

退職について悩みがあれば、一度相談してみましょう。

退職代行モームリはこちら

まとめ

退職を切り出すのは勇気がいることですが、あなたの人生はあなたのものです。礼儀を持って伝えれば、ほとんどの場合は円満に退職できます。

迷ったらこの記事のポイントを参考にして、少しずつ準備を始めてみましょう。未来に向かって一歩踏み出すあなたを、応援しています!

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太陽電池とは?仕組み・種類・特徴を徹底解説https://semicon-blog.com/solar-cells/Sun, 09 Mar 2025 08:03:22 +0000https://semicon-blog.com/?p=1264

太陽電池とは、太陽の光エネルギーを直接電気に変換するデバイスのこと指し、半導体の技術が応用されています。 近年、再生可能エネルギーへの関心が高まる中で、太陽電池による太陽光発電はクリーンで持続可能なエネルギー源として注目 ... ]]>

太陽電池とは、太陽の光エネルギーを直接電気に変換するデバイスのこと指し、半導体の技術が応用されています。

近年、再生可能エネルギーへの関心が高まる中で、太陽電池による太陽光発電はクリーンで持続可能なエネルギー源として注目されています。

本記事では、太陽電池の基本的な仕組みや種類、特徴について詳しく解説します。

太陽電池の仕組み

太陽光発電は、太陽の光エネルギーを利用して電気を生成する技術です。

発電をする太陽電池は、電気的な性質が異なるp型半導体とn型半導体が使われています。これらの半導体を重ね合わせる(pn接合する)ことで、光エネルギーが加わったときに電子と正孔が生成され、これが電流の流れを生む仕組みとなります。これを光起電力効果と呼びます。この効果により、光エネルギーが電気エネルギーに直接変換されます。

太陽電池による発電は、次の流れで行われます。

太陽光の吸収

太陽光パネルが太陽光の光エネルギーを吸収します。

電子の励起

吸収された光エネルギーにより、半導体材料内の電子が励起されます。これにより、自由に動ける伝導電子と正孔が生成されます。

電子と正孔の分離

太陽電池内部のpn接合によって形成された内部電界により、励起された電子と正孔が分離されます。電子はn型半導体側へ、正孔はp型半導体側へ移動します。

電流の発生

この電子と正孔の移動により、電流が発生します。

太陽電池の種類

太陽電池は主に以下の3つの大きな分類に分けられます。

シリコン系太陽電池

  • 単結晶シリコン:高純度シリコンを使用し、変換効率が高く(~20%)、信頼性も高いが、高価です。
  • 多結晶シリコン:小さい結晶が集まった構造で、単結晶より低コストで、現在最も普及しています。変換効率は~15%です。
  • アモルファスシリコン:結晶化していないシリコンを使用し、低コストですが、変換効率も低く(~9%)なっています。

化合物半導体系太陽電池

  • CIGS:銅、インジウム、セレンにガリウムを加えたCIGSは、低コストで比較的良い変換効率(~13%)を持ちます。
  • CdTe:カドミウムとテルルを原材料とし、主に欧米で普及しています。変換効率は~11%です。
  • GaAs:ガリウムとヒ素を使用し、高効率(25%程度)ですが高価で、主に人工衛星などに使用されます。

有機系太陽電池

  • 有機薄膜:有機半導体を材料とし、製造コストが安いですが、変換効率は低め(~8%)です。
  • 色素増感:低価格な材料で製造可能ですが、製品寿命などに課題があります。変換効率は~11%です。
  • ペロブスカイト:「ペロブスカイト」と呼ばれる結晶構造の材料を使った新しい種類の太陽電池で、次世代の太陽電池として注目されています。

太陽電池の特徴

太陽電池による発電には、次のような特徴があります。

  • 環境に優しい
    化石燃料を使用せず、発電時にCO2を排出しないため、地球温暖化対策になります。
  • 電気代の節約
    発電した電力を自家消費することで電力会社からの電気購入量を削減でき、電気代を節約できます。
  • 売電による収益
    余った電力を電力会社に売ることで収益を得ることができます。
  • 災害時の電力確保
    非常用電源として活用でき、停電時でも一定の電力供給が可能です。
  • 初期投資が高い
    パネルやインバーターの設置に多額の費用がかかるため、導入コストがネックになります。
  • 天候に左右される
    発電量が天候に依存し、日照時間が短い地域や曇り・雨の日には効率が低下します。
  • 設置スペースの確保が必要
    十分な発電量を得るためには広い設置面積が必要です。

まとめ

太陽電池は半導体の技術を応用して、光エネルギーを電気エネルギーに変換しています。

太陽光発電は環境に優しい再生可能エネルギーとして注目されており、発電の仕組みを理解することで環境に対する意識を持つことができます。

多くの人が太陽光発電を活用することで、電気代の削減や、持続可能なエネルギー社会に貢献することができるでしょう。

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半導体の最終検査の解説と主な装置メーカーを紹介https://semicon-blog.com/final-test/Sun, 16 Feb 2025 05:02:48 +0000https://semicon-blog.com/?p=1247

半導体の最終検査(Final Test)は、製造されたICチップが設計通りに動作するかを確認する最終段階の検査工程です。 半導体デバイスの品質を確保し、不良品を市場に出さないために非常に重要なプロセスとなります。 今回は ... ]]>

半導体の最終検査(Final Test)は、製造されたICチップが設計通りに動作するかを確認する最終段階の検査工程です。

半導体デバイスの品質を確保し、不良品を市場に出さないために非常に重要なプロセスとなります。

今回は、半導体の最終検査の概要と、検査装置を提供する主要メーカーについて解説します。

最終検査とは

半導体の最終検査(Final Test)は、製品が出荷される直前に行われる重要なプロセスです。

最終検査は、チップの初期不良の有無や電気的特性の合否判定を検査し、出荷をしてもよいかを判断します。初期不良品を効率的に除去し、製品の品質を向上させます。

最終検査の主な目的は、次の4つです。

  • 電気的特性の確認:回路が正しく動作するかチェック
  • 製品の信頼性テスト:環境ストレスや長時間使用に耐えられるか検証
  • 外観検査:パッケージに欠陥がないか確認
  • 分類と選別:動作特性に応じてグレード分類

これらの検査の基準を満たしたものだけが製品として出荷されます。

最終検査の主な工程

ファンクション試験

半導体デバイスが設計通りに正しく動作するかを確認するための試験です。

この試験では、デバイスの基本的な論理回路機能が期待通りに機能するかをチェックします。具体的には、設計段階で作成されたテストパターンをデバイスに適用し、その出力が期待される値と一致するかどうかを確認します。

試験により、不良品を早期に発見し、製品の信頼性を向上させることができます。

ファンクション試験は、半導体製品が設計通りに動作することを保証するために不可欠です。

バーンイン試験

バーンイン試験は、半導体デバイスの初期不良低減を目的として行う試験です。劣化予測のためのデータ取得も可能です。

この試験では、デバイスに高温と高電圧のストレスを加えることで擬似的な経過変化を起こし、初期故障を加速し、短時間で不良品を除去します。

バーンイン試験には、スタティックバーンインとダイナミックバーンインの2種類があります。

スタティックバーンインは、半導体デバイスをスタティック状態(スタンバイ状態)で試験し、DC的な電圧ストレスを加えることで初期不良を除去する方法です。この試験では、デバイス内部の各ノード電位を固定し、絶縁膜などに電圧ストレスを印加して、リーク電流の増加や動作速度の劣化、しきい値電圧の変動などによる不良品を除去しま。

ダイナミックバーンインは、半導体デバイスに高温と高電圧のストレスを加えながら、動作状態で試験を行う方法です。この試験では、電源電圧と入力信号パルスを与えてデバイスを動作させ、初期故障を加速し、不良品を除去します。特に、市場での使用状態に近づけたスクリーニングが可能で、コンタクトや多層配線の欠陥による不良品を効果的に検出できます。

外観検査

高解像度カメラや画像処理システムを使用して、パッケージの外観を確認します。

半導体パッケージ表面の傷やクラック、汚れや異物の付着などの不良や、リードの曲がりがないかをチェックします。

最終検査装置の主なメーカー

半導体の最終検査には高度なテスト装置が必要となります。

主なテスト装置のメーカーは、次の2社です。

アドバンテスト

アドバンテストは、日本を拠点とする半導体製造装置メーカーで、特に半導体テスト装置に強みを持っています。

ウェーハテストからパッケージ後のファイナルテストまで、モリやSoC、HPCデバイスなど、多様な半導体を試験可能なテストシステムを提供しています。

また、チップを搬送するハンドラや、テストシステムとデバイスを接続する機器も製造しています。

 高精度な測定技術と設計力が強みで、自社で半導体の設計を行い、テストシステムの性能向上に貢献しています。

テラダイン

テラダイン(Teradyne)は、米国を拠点とする自動試験装置(ATE)の大手メーカーで、特に半導体テスト装置に強みを持っています。

主に半導体テスタを製造し、デジタル/ミックスドシグナル、ワイヤレス、メモリ、パワー・エレクトロニクスなど幅広い分野で利用されています。

高性能で高速なテストシステムを提供し、複数の工程を一台で効率的に行えるように設計されています。

まとめ

半導体の最終検査は、製造されたICチップの品質を保証するために不可欠なプロセスです。

電気的特性試験、製品の信頼性テスト、外観検査などを通じて、不良品を除去することで、信頼性の高い製品を出荷することができます。

参考文献

  • 浅田邦博、パワーデバイス・イネーブリング協会「はかる✕わかる半導体 入門編 改訂版」、日経BPコンサルティング(2020/12/14)
  • エレクトロニクス市場研究会「図解即戦力 半導体業界の製造工程とビジネスがこれ1 冊でしっかりわかる教科書」、技術評論社 (2022/3/2)
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半導体の製造における歩留まりとは?初心者向けにわかりやすく解説https://semicon-blog.com/yield_rate/Thu, 30 Jan 2025 13:36:17 +0000https://semicon-blog.com/?p=1231

半導体業界における「歩留まり(yield rate)」とは、製造された半導体のうち、使用可能な良品の割合を指します。 歩留まりは、製造効率や収益性を示す重要な指標であり、業界全体の競争力や技術力を評価する基準にもなります ... ]]>

半導体業界における「歩留まり(yield rate)」とは、製造された半導体のうち、使用可能な良品の割合を指します。

歩留まりは、製造効率や収益性を示す重要な指標であり、業界全体の競争力や技術力を評価する基準にもなります。

私はもともと自動車業界にいましたが、歩留まりという言葉は使わず、不良率という言葉を使っていました。業界によって良品を基準にするか、不良品を基準にするかの違いがあるようです。

今回は、半導体製造における歩留まりについて解説します。

歩留まりとは

歩留まりとは、製造業など生産活動全般において、原料や素材の投入量に対して実際に得られた生産数量の割合のことをいいます。

歩留まりが高いほど、生産効率が良く、原材料や資源の無駄が少ないことを意味します。また、歩留まりを改善することで、原材料コストの削減や生産性の向上、利益率の改善につながります。

歩留まりは、良品数÷総生産数×100で算出されます。

例えば、100個の半導体チップを製造し、そのうち90個が正常に動作した場合の歩留まりは 90% です。

歩留まりの重要性

歩留まりが高いほど製造効率が良いとされ、以下の理由から半導体産業において極めて重要です。

  1. コスト削減:歩留まりが高いほど、製造コストを抑えることができ、収益性が向上します。逆に、歩留まりが低いと不良品が増え、原材料や工程コストが無駄になります。
  2. 製品の品質向上:高い歩留まりは、製造プロセスの品質や安定性の証明となり、顧客からの信頼を得ることができます。
  3. 競争力の向上:半導体業界は高い技術力が求められるため、歩留まりを向上させることで、他社との差別化が可能です。

歩留まりに影響を与える要因

半導体製造の歩留まりは以下の要因によって左右されます。

  1. クリーンルーム環境:微細な粒子や汚染物質がウェーハ上に付着すると、リソグラフィーやドライエッチングなどの工程で回路パターンのショートや切断を引き起こす原因になります。
  2. 製造プロセスの精度:フォト工程では、ナノレベルの加工精度が求められるため、わずかな誤差が不良につながります。

半導体製造における歩留まり

工業製品の歩留まりが低い物の代表格には半導体製品です。

半導体製品はシリコンウェーハ上に微細な回路を形成していきます。微細な粒子や製造プロセスの精度の影響で歩留まりが悪くなると、製造コストが高くなり、価格も高くなってしまいます。

そのため、半導体メーカーは歩留まりを改善するために様々な工夫をしています。この記事ではCPUを例に解説します。

ダイサイズを小さくする

ダイサイズを小さくすることで歩留まりは改善します。

例えば同じサイズのシリコンウェーハの上に同じ数の異物が付着したとします。

ダイサイズが大きいと異物の影響を受ける面積が多くなり、結果的に歩留まりが低下します。

一方で、ダイサイズが小さいと異物の影響を受ける面積が小さくなります。また、1枚のシリコンウェーハから製造できるチップの数が増えるので、歩留まりが高くなります。

しかし、ダイサイズを小さくして性能を維持または高めるためには集積密度を高めていく必要があります。半導体の微細化については、ムーアの法則が関係します。

冗長性を持たせる

歩留まりを改善するには、冗長性を持たせるという方法があります。

冗長性とは、余分や重複がある状態、余裕を持たせるという意味です。

CPUの場合は、コアの数を多めに作っておき、コアの一部に不具合があった場合はそのコアを無効化します。こうすることで、ダイの一部に不良があった場合でもコアの数を減らした下位モデルの製品として販売することができます。

選別をする

CPUは性能のテストをして、テストの結果によりグレードの選別をします。

高い基準に合格したものをハイエンドモデルとして販売し、不合格となったものは動作周波数を下げるなどをしてメインストリームモデルやエントリーモデルとして販売しています。

こうすることにより、単一の生産ラインからさまざまなグレードの製品を出荷でき、市場の需要を満たすことができます。

また、同じグレードのCPUの中でも個体差があり、アタリやハズレがあります。アタリのものはオーバークロック耐性が高かったりします。

まとめ

半導体製造における歩留まりの向上は、製造コストの削減、製品品質の向上、そして企業の競争力強化に不可欠です。

微細化が進む中で歩留まりの維持・向上はますます難しくなりますが、技術革新や品質管理の徹底により、多くの企業がその課題に挑んでいます。

参考文献

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半導体(IC)パッケージの概要と種類について解説https://semicon-blog.com/semicon_package/Sun, 19 Jan 2025 01:02:25 +0000https://semicon-blog.com/?p=1156

半導体(IC)パッケージは、半導体チップを外部環境から保護や放熱、電気的に外部回路と接続する役割を担っています。電子機器の進化に伴い、パッケージ技術も小型化・高密度化・高性能化が求められています。 本記事では、半導体パッ ... ]]>

半導体(IC)パッケージは、半導体チップを外部環境から保護や放熱、電気的に外部回路と接続する役割を担っています。電子機器の進化に伴い、パッケージ技術も小型化・高密度化・高性能化が求められています。

本記事では、半導体パッケージの概要、主な役割、そして代表的な種類について分かりやすく解説します。

半導体パッケージの概要

半導体パッケージは、製造された半導体チップを保護し、基板やその他の回路に接続するためのケースのことです。

プラスチックやセラミック、金属といった素材でできており、下面や側面に接続用の金属端子(リード)が配置されています。プリント基板上のソケットに差し込んだり、はんだ付けすることで実装します。

主に、以下のような役割を担っています。

  • 物理的保護:チップを外部環境(湿気、衝撃、熱など)から保護します。
  • 電気的接続:チップと外部回路を電気的に接続します。
  • 熱管理:デバイスが発生する熱を放散し、過熱を防ぎます。

半導体パッケージの種類

半導体パッケージは、デバイスとプリント基板との接続の仕方により、大きく「挿入実装型」と「表面実装型」に分類されます。

出典:京セラ

挿入実装型

プリント基板にリードを貫通させるように挿入するタイプのパッケージです。代表的な挿入実装型のパッケージは、次のようなものがあります。

  • SIP (Single Inline Package):リードがパッケージの1側面から出ており、リードが1列に並んでいる構造です。パッケージの側面に放熱板を取り付けられます。小規模なICに使用されてます。
  • ZIP (Zigzag Inline Package):リードがパッケージの1側面から交互にジグザグ状に並んでいる構造です。SIPよりも同じリード数でコンパクトにできます。
  • DIP (Dual Inline Package):長方形のパッケージで、リードが2側面から出ている構造です。アナログICや小規模デジタルICに使用されています。
  • PGA (Pin Grid Array):ピンがパッケージの底面に格子状に配列されたパッケージです。パッケージ側面から端子を出す形状に比べて多くの接続端子が配置できます。

表面実装型

プリント基板の表面の電極パッドにリードを接触させ、固定するタイプのパッケージです。代表的な表面実装型のパッケージは、次のようなものがあります。

  • SOP (Small Outline Package):リードがパッケージの2側面から出ており、リード形状がガルウィング型の構造です。
  • SOJ (Small Outline J-leaded package):リードがパッケージの2側面から出ており、リード形状がJ字形の構造です。SOPよりもリードが変形しにくく、実装面積が小さくできる利点があります。
  • QFP (Quad Flat Package):リードがパッケージの4側面から出ており、リード形状がガルウィング型の構造です。
  • QFJ (Quad Flat J-leaded package):リードがパッケージの4側面から出ており、リード形状がJ字形の構造です。QFJよりもリードが変形しにくく、実装面積が小さくできる利点があります。
  • LCC (Leadless Chip Carrier):底面の4辺に電極パッドを配置した構造です。
  • BGA (Ball Grid Array):ボール状のはんだ(はんだボール)がパッケージの底面に格子状に配列された構造です。小型・高密度化が可能で、放熱性が高いです。高性能プロセッサやGPUに使用されます。
  • LGA (Land Grid Array):ランドがパッケージの底面に格子状に配列された構造です。BGAと異なり、ソケットによる実装が可能です。

まとめ

半導体パッケージは、デバイスの性能を最大化しつつ、信頼性を高める重要な役割を果たしています。パッケージの種類は、用途や性能に応じて選択されます。

様々な種類があり、名称と形状を一致させて覚えるのは難しいとは思いますが、代表的なパッケージは覚えておいてもいいと思います。

参考文献

  • 浅田邦博、パワーデバイス・イネーブリング協会「はかる✕わかる半導体 入門編 改訂版」、日経BPコンサルティング(2020/12/14)
  • 京セラ「半導体(IC)パッケージとは

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半導体のモールディングの解説と主な装置メーカーを紹介https://semicon-blog.com/molding/Sun, 05 Jan 2025 00:03:35 +0000https://semicon-blog.com/?p=1203

ワイヤーボンディングが終わったら、樹脂で固めることで半導体のパッケージは完成です。 これまでの工程で製造された半導体チップは、非常に繊細で衝撃や汚染にとても弱いです。モールディングは、半導体チップを外部環境から保護し、耐 ... ]]>

ワイヤーボンディングが終わったら、樹脂で固めることで半導体のパッケージは完成です。

これまでの工程で製造された半導体チップは、非常に繊細で衝撃や汚染にとても弱いです。モールディングは、半導体チップを外部環境から保護し、耐久性や信頼性を向上させるために行われます。

今回は、チップを保護するモールディングの概要、そして主な装置メーカーについての解説です。

モールディングとは

モールディング(Molding)は、ワイヤーボンディングが終わったチップを外部環境から保護するためにエポキシ樹脂などを用いて封止するプロセスです。

この工程の目的は、以下のような半導体デバイスの保護です。

  • 物理的保護: 外部からの衝撃や摩耗を防ぐ。
  • 電気的絶縁: チップ表面や配線を外部の電気的干渉から守る。
  • 環境耐性向上: 温度、湿気、化学物質などからの影響を軽減。

モールディングの工程

モールディングは、主に以下のような手順で行われます。

リードフレームを下部金型にセットする

ボンディング工程で接続されたリードフレームとチップを160~180度に加熱された下部金型にセットし、上部金型で蓋をします。上部金型に圧力をかけて、金型とリードフレームを密着せます。

ポット部から樹脂を投入する

ポット部から金型の間に熱硬化性エポキシ樹脂を投入し、プランジャで押し込みます。投入時のエポキシ樹脂は固形ですが、金型の熱によって液状になります。

樹脂を硬化させる

プランジャによる加圧でエポキシ樹脂を金型全体に行き渡らせたあとは、エポキシ樹脂が硬化するまでそのままの状態を保持して待ちます。

リードフレームを取り出す

樹脂が硬化したら金型を外し、所定の温度で加熱することで樹脂を完全に硬めます。

モールディングの種類

モールディングにはいくつかの種類があり、デバイスの用途や形状に応じて選択されます。

トランスファーモールド

上記で解説した方式がトランスファーモールドです。

最も一般的な方法で、溶融した樹脂をプランジャで金型に圧送し、硬化し封止する方法です。大量生産に適しています。

コンプレッションモールド

金型に液状もしくは顆粒状の樹脂を入れ、溶融した後にチップを浸し入れて樹脂成形する樹脂封止方法です。

主な装置メーカー

モールディング装置の主要なメーカーには以下のような企業があります。

TOWA株式会社

TOWA株式会社は、半導体製造装置と超精密金型の開発・設計・製造・販売を主な事業とする京都に本社を置く企業です。

世界に先駆けてマルチプランジャでの全自動半導体樹脂封止装置を開発して以来、半導体モールディング市場において、リーディングカンパニーであり続けています。また、最先端封止技術として新たに開発したコンプレッション方式で、市場のニーズを先取りしています。

モールディング市場において、世界シェア60%以上を占めるグローバルリーダーです。

アピックヤマダ株式会社

アピックヤマダ株式会社は、特にモールディング装置の開発・製造・販売を行う企業です。現在はヤマハロボティクスホールディングスの傘下にあります。

日本で初めて半導体チップをパッケージングする樹脂封止金型を開発・製造しました。

まとめ

モールディングは、半導体チップを外部環境から保護し、性能を最大限に発揮させるために不可欠な工程です。

これで半導体のパッケージとしての形は完成しました。

最後にファイナルテストを行い、半導体の性能を評価して製品として出荷することになります。

参考文献

  • 佐藤淳一「図解入門 よくわかる半導体プロセスの基本と仕組み」、秀和システム (2020/8/29)
  • エレクトロニクス市場研究会「図解即戦力 半導体業界の製造工程とビジネスがこれ1 冊でしっかりわかる教科書」、技術評論社 (2022/3/2)
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【半導体製造装置メーカー】ディスコの特徴を徹底解説https://semicon-blog.com/disco/Mon, 30 Dec 2024 04:46:24 +0000https://semicon-blog.com/?p=1185

ディスコは、半導体製造装置メーカーの中でも特に「ダイシング」や「研削」などのプロセスに特化した企業です。 高い技術力により、ダイシング装置の分野では世界市場の約70%のシェアを占めています。また、高年収の企業としても有名 ... ]]>

ディスコは、半導体製造装置メーカーの中でも特に「ダイシング」や「研削」などのプロセスに特化した企業です。

高い技術力により、ダイシング装置の分野では世界市場の約70%のシェアを占めています。また、高年収の企業としても有名で、年収は1,000万円を超えています。

本記事では、ディスコの特徴について詳しく解説します。

ディスコの基本情報

ディスコの主な事業内容は、ダイシングソーやグラインダーなどの半導体製造装置の製造・販売と、ダイシングブレードなどの製造・販売です。特にダイシングソーとグラインダーは、世界トップクラスのシェアを誇ります。

ディスコは、1937年5月に工業用砥石メーカーの「第一製砥所」として創業しました。1940年に組織を有限会社第一製砥所に変更し、本社を東京都神田に移転しました。その後、電力計メーカーからの依頼で厚さ1.2ミリの高精度薄型砥石を開発しました。更に砥石の薄型化をさらに進め、1968年に厚さ40ミクロンの超極薄砥石「ミクロンカット」の開発に成功しました。しかし、加工中に砥石が割れるというクレームが発生しました。世の中に高精度の砥石を扱える切断装置が無かったので、自ら切断装置を開発することになりました。

このように、事業内容が砥石メーカーから砥石を用いた精密加工装置メーカーへと変化してきたことから、1977年に英語社名の「Dai-Ichi Seitosho CO., Ltd.」の頭文字をとって、社名を「DISCO」に変更しました。

会社情報

主な会社情報は下記の通りです。

設立1940年3月2日
上場1989年10月31日
事業内容1. 精密加工装置の製造ならびに販売
2. 精密加工装置のメンテナンスサービス
3. 精密加工装置のオペレーションやメンテナンスの研修サービス
4. 精密加工装置の解体リサイクル事業
5. 精密加工装置のリースおよび中古品売買
6. 精密加工ツールの製造および販売
7. 精密部品の有償加工サービス
業種名機械
本社東京都大田区大森北2-13-11
従業員連5,179名 単3,451名
平均年齢37.0歳
平均年収1,507万円
URLhttps://www.disco.co.jp
2024年12月現在

直近の業績

直近3年の業績です。

売上高営業利益経常利益利益
2022.3253,78191,51392,44966,206
2023.3284,135110,413112,33882,891
2024.3307,554121,490122,39384,205
※単位は百万円

売上高、利益ともに右肩上がりになっています。

今後も、AI半導体向けに業績の拡大が見込まれています。

ディスコの特徴

「切る」「削る」「磨く」の3種類の加工に特化

ディスコは、「切る」「削る」「磨く」の3つの技術に特化して事業を展開しています。

「切る」加工とは、半導体製造工程におけるダイシングにあたります。ダイシングは後工程の第一段階で、シリコンウェーハを集積回路ごとの細かいチップに切り離す工程です。ディスコのダイシングソーは、1/10000 mmレベルの寸法をコントロールし、割れ・欠けを抑えた品質で、小さく切ることができます。

出典:ディスコ

「削る」加工とは、半導体製造工程におけるバックグラインディングにあたります。シリコンウェーハは、半導体製造プロセスに耐えうる剛性を保つために、直径150 mm(6インチ)の場合は厚さ0.625 mm、200 mm(8インチ)では厚さ0.725 mm、300 mm(12インチ)では厚さ0.775 mmとされています。しかし、パッケージングする時には、この厚みは必要ないので裏面を研削します。ディスコのグラインダーでは、5 µmレベルまで薄く削ることが可能です。

出典:ディスコ

「磨く」加工とは、半導体製造工程におけるバックグラインディング後のストレスリリーフにあたります。バックグラインディング後のウェーハは残留する微細なダメージにより割れやすい状態です。ストレスリリーフは、微細なダメージ層を除去することでウェーハは割れにくくする効果があります。

出典:ディスコ

高い市場シェア

ディスコのダイシングソーは70%の市場シェアを持っており、2位の東京精密の19%を大きく引き離しています。また、グラインダーも60~70%のシェアがあります。

出典:経済産業省 マイクロエレクトロニクスに係る産業基盤実態調査

シリコンウェーハの加工には、高い技術力が求めれれます。ディスコは、「切る」「削る」「磨く」の3つの技術に特化した結果、競合他社よりも優れた製品を多くの半導体メーカーに提供しています。

独自の企業文化

ディスコ独自の企業文化や社内制度で、「DISCO VALUES」や「Will会計」があります。

「DISCO VALUES」は、企業としての目指すべき方向性や経営の基本的なあり方、一人ひとりの働き方など、さまざまな観点から「あるべき姿」を明確にした企業理念です。1997年から運用が始まり、項目の追加や見直しをしながら200を超える項目が明文化されています。価値観を共有することで、社員同士や経営者が同じ方向に向かって行動ができるので、強い組織にすることができます。

「Will会計」は、Willという社内通貨を用いて業務やサービス、備品等を金額換算し、収支を管理するものです。Willによる収支の見える化により、社員は客観的・定量的に自分のパフォーマンスを把握することができます。社内の仕事をWillで発注できる「社内オークション制度」や、賞与の一部が所属部門や個人のWill 収支に応じて金額が連動する「Will賞与」といった独自の制度があります。

出典:ディスコ

まとめ

ディスコは、半導体製造工程における「切る」「削る」「磨く」という領域で圧倒的なシェアと技術力を持つ企業です。

また、高い年収と独自の社内制度で、仕事に対するモチベーションを高く維持できる環境が整っていると言えます。

良い待遇を用意することで優秀な人材が集まり、イノベーションがうまれることで、会社としても更に成長していくことでしょう。

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ムーアの法則とは?初心者向けにわかりやすく解説https://semicon-blog.com/moores_law/Wed, 11 Dec 2024 14:53:52 +0000https://semicon-blog.com/?p=1158

パソコンやスマートフォンなどの電子機器は、年々性能を向上させながら、小型化されてきました。 その背景には、ムーアの法則と呼ばれる重要な概念によって半導体技術の進化が支えられてきました。 本記事では、ムーアの法則の意味やそ ... ]]>

パソコンやスマートフォンなどの電子機器は、年々性能を向上させながら、小型化されてきました。

その背景には、ムーアの法則と呼ばれる重要な概念によって半導体技術の進化が支えられてきました。

本記事では、ムーアの法則の意味やその影響について、初心者の方にも分かりやすく解説します。

ムーアの法則とは

ムーアの法則は、「半導体の集積度(チップに搭載できるトランジスタの数)は18~24ヶ月ごとに倍増する」という経験則です。この法則は、1965年にインテルの共同創業者であるゴードン・ムーア氏が提唱しました。これまで、半導体の性能向上を予測する際の指標や、研究開発の目標として広く用いられてきました。

24ヶ月で集積度が2倍になるということは、5年後には5.66倍、10年後には32倍、15年後には181倍、20年後には1024倍ということになります。トランジスタの数が増えると、同じチップサイズでも計算能力が飛躍的に向上し、デバイスがより高性能かつ低コストで製造できるようになります。

出典:Wikipedia

ムーアの法則による影響

ムーアの法則は半導体業界に多大な影響を与え、約50年にわたって技術革新の目標として機能してきました。その主な影響は以下の通りです。

技術革新の加速

半導体企業が2年ごとに集積度を2倍にするという目標に向けて、積極的に技術開発を進めました。

微細化技術の進化には、特に露光技術の革新が欠かせません。これまで半導体業界では、露光装置の光源を波長の短いものへと変更し続け、微細化技術を進化させてきました。露光波長が短いほど、細かいパターニングをすることができ、集積密度を上げることができるからです。最先端の露光技術では、波長が13.5nmの極端紫外線(Extreme Ultraviolet:EUV)を用いたEUV露光装置が実用化されています。

これにより、半導体の微細化技術が急速に進歩し、より高性能な半導体製品が次々と生み出されました。

製品の小型化・高性能化・低電力化

トランジスタの微細化により、電子機器は同じ面積でより多くの機能を実現できるようになり、小型化しながらも高性能化を実現してきました。

これは、トランジスタを小型化するほど、性能も向上するという事実を理論的に示したスケーリング則に基づいています。例えば、トランジスタの寸法を半分にすると、同じ面積に4倍のトランジスタを搭載でき、各トランジスタの消費電力は1/4になります。

また、単位面積あたりのトランジスタ数が増加し、製造コストの低減が実現しました。

これらにより、より安価で高性能な電子機器が一般消費者にも手の届くものとなりました。

ムーアの法則の限界

近年、ムーアの法則が提唱された当初のペースを維持することが難しくなってきています。その理由は、トランジスタのサイズが物理的限界に近づきつつあり、従来のスケーリング則に沿った性能向上は、すでに限界に達しつつあるためです。そこで今日では、「モア・ムーア」と「モア・ザン・ムーア」と呼ばれる、2つの新しい技術開発の方向性に分けて議論されるようになってきました。

「モア・ムーア」と

モア・ムーアとは、新素材や新構造を導入し、従来の半導体の集積化を継続して汎用トランジスタ回路をより高速・高機能化することを目的としています。

特徴としては、最先端の製造ラインを使用して、1nm以下のプロセスや3次元集積化を目指した技術開発を推進しています。これを実現させるには、大規模な設備投資が必要となります。

「モア・ザン・ムーア」とは

一方、モア・ザン・ムーアとは、微細化・集積化に頼らないデバイス性能の向上を目的としてます。

具体的には、半導体チップに不揮発記憶素子やMEMS、各種センサなどの新機能を追加・融合することで、微細化の限界を超えて半導体の性能向上を目指します。

モア・ムーアのような大規模な製造ラインや工場は不要で、製造コストを削減できる可能性があります。また、先進パッケージング技術の活用により、前工程よりも後工程(パッケージング)の重要性が増加しています。

まとめ

ムーアの法則は、半導体業界の進化を支えてきた重要な概念です。

この法則により、私たちは高性能な電子機器を手頃な価格で利用できるようになりました。

しかし、技術的な限界も見え始めており、新しいアプローチが必要となっています。

参考文献

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中小メーカーから大手メーカーへの転職は難しい?転職を成功させるための3つのポイントを紹介https://semicon-blog.com/change-to-a-manufacturer/Tue, 03 Dec 2024 22:37:00 +0000https://semicon-blog.com/?p=1128

中小メーカーで働いていて、次のような悩みを抱えていませんか? 「大手メーカーのような安定した環境で働きたい」 「年収や福利厚生を改善したい」 しかし、実際に転職を考えると「中小メーカーから大手メーカーへの転職はハードルが ... ]]>

中小メーカーで働いていて、次のような悩みを抱えていませんか?

「大手メーカーのような安定した環境で働きたい」

「年収や福利厚生を改善したい」

しかし、実際に転職を考えると「中小メーカーから大手メーカーへの転職はハードルが高いのでは?」と感じる方も多いかもしれません。

この記事では、自動車関連の中小メーカーから電気部品の大手メーカーに転職した筆者の体験談をもとに、大手メーカーへの転職を成功させるポイントについて紹介します。

大手メーカーへの転職が難しいと言われる理由

一般的に中小メーカーから大手メーカーへの転職は簡単ではありません。

その理由として、以下のような事が挙げられます。

  • 人気があり競争率が高い
    知名度の高い大手メーカーには多くの求職者が集まるため、競争率が高くなる傾向です。
  • 求められるスキルや経験のハードルが高い
    大手メーカーでは、専門性の高いスキルや経験が求められることが多いため、学歴や中小メーカーでの実績が必要になるケースもあります。

しかし一方で、転職市場は活況で、下記のように採用計画に占める中途採用比率は半数に迫って来ています。

2024年度の採用計画に占める中途採用比率は過去最高の43.0%と5割に迫る水準になった。少子化と人手不足を背景に、中途人材を補充要員ではなく、戦略的に経営に取り込む企業が増えている。新卒中心の採用慣行は転換点を迎えた。

引用元:日本経済新聞

実際に私の職場でも、人手不足もあり、常に中途採用の求人は出されていますが十分に集まっていない状況です。

つまり、ポイントを抑えることで大手メーカーに転職できる可能性も十分にあります。

転職成功のための3つのポイント

ここからは、実際に転職活動をした経験から転職を成功させるためのポイントを紹介します。

現在の職場でスキルを磨く

転職市場や中途採用の場で求められているのは即戦力です。まずは、今の仕事を通じてポータブルスキルを磨くことが重要です。

ポータブルスキルとは、技術的なスキルやコミュニケーション能力、プレゼンスキル、問題解決能力といった特定の業種や職種、時代背景に囚われることのない、汎用性の高いスキルのことを指します。つまり、持ち運べる(ポータブル)スキルのことです。

ポータブルスキルを身に着けていると、特定の業界だけではなく、様々な業界で活躍できる可能性が高まります。

私の場合は、前職は生産技術職で工程の設計や設備の保全をしていたので、設備の保全スキルを転職活動の際にアピールしました。メーカーでは、必ず生産設備を使って製品を生産しているので、設備を修理したり保全ができるスキルは、他社でも通用するスキルです。

また、保全技能士2級の資格を取得していたので、スキルの証明という意味でも資格を取得しておくのもいいと思います。

転職エージェントを利用する

転職を成功させるためには、転職エージェントを活用して、求人情報や選考対策のサポートを受ける事が大切です。特に初めての転職活動の場合は、不安や分からないことがたくさんあるので、失敗をしないためにも利用することをおすすめします。

転職活動は、大きく「事前準備」「書類作成・応募」「面接」「内定・退職・入社」という4つのステップがあり、すべきことはたくさんあります。転職エージェントを活用することで、転職活動の多くの部分をプロにサポートしてもらうことができます。

また、通常の求人サイトには掲載されていない、非公開求人や独占求人に応募できます。⾃分のスキルや経験に応じた求⼈が見つかる可能性が広がり、転職先の選択肢を増やすことができます。

職務経歴書と面接対策に力を入れる

職務経歴書と面接対策は、転職活動の中でも重要なポイントです。

職務履歴書は、採用担当者に自分の業務経験や実績をアピールする重要な書類です。自分の強みを裏づけるエピソードや数字を具体的に記載することで、採用担当者にその強みが入社後にどのような場面で発揮できるのかイメージしてもらいやすくなります。

そして面接対策では、面接の流れを理解して、よく聞かれる質問に対して回答を用意しておくことが大切です。

転職の面接では、一般的に次のような流れになっています。

  • 自己紹介
  • 転職理由
  • 志望動機
  • 自己PR
  • 逆質問

面接で話す内容は事前にしっかりと考えて、繰り返し練習をして自然に話せるようにしましょう。

また、職務経歴書と面接対策は転職エージェントにサポートしてもらえます。プロに職務経歴書を添削してもことでミスに気付けたり、読みやすく訴求力のある職務経歴書を作成することができます。面接対策では、模擬面接や面接後フォローを受けることができます。

メーカー専門の転職エージェント「タイズ」

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出典:タイズ

大手メーカーへの転職を希望されている方は、メーカー専門の転職エージェントの「タイズ」に相談することをおすすめします。

すべての転職支援サービスは無料で受けることができます。

\大手メーカーへの転職実績多数/

タイズの公式サイトを確認する

タイズの概要

タイズは大阪府に本社を置く、日本でも数少ないメーカー専門の転職エージェントです。東京都にも関東支社があります。

2005年の創業以来メーカー一筋で転職支援を行っており、パナソニック・ダイキン・村田製作所など日本を代表する大手優良メーカーへの転職支援実績があります。

大手メーカーとのパイプを築いているため、サイト上には掲載していない独占求人や非公開求人を紹介してもらうことができます。加えて、書類対策から面接対策まで一貫してサポートしてもらえます。

タイズの特徴

①専門性高い転職エージェント

大手エージェントは全国・全業種に対応していることがほとんどですが、タイズは自動車、電機、機械、化学などのメーカーに特化したエージェントです。

各メーカーの仕事内容を把握できるので、現職の悩みや転職で叶えたいことを相談することで、専門性の高い転職支援が期待できます。

また、タイズからしか応募することができない独占求人を多数取り扱っています。下記のような企業との取引があり、多くの支援実績から取引先企業からの信頼が厚いです。

出典:タイズ

②独自の「アナログマッチング®」

一般的な求人マッチングは、「年齢・職種・勤務地・年収」などの情報から機械的にデジタルなマッチングさせるのに対し、アナログマッチング®は、「年齢・職種・勤務地・年収」+「社風・働きごこち」といった情報からコンサルタントが厳選した求人をマッチングさせるタイズ独自の手法です。

正直で親身なコンサルティングを通じて、本当に応募したい厳選された求人だけを紹介してもらえるので、転職活動の効率性、精度と満足度を高めることができます。

出典:タイズ

転職エージェントの利用手順

転職エージェントを利用する手順は以下の通りです。

会員登録

転職エージェントの公式サイトから必要事項を入力して登録します。

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面談・カウンセリング

担当のコンサルタントと対面または電話で面談を行います。現在の状況や希望などについてヒアリングを受けます。

求人紹介

面談結果に基づいて、適切な求人が紹介されます

選考対策

職務経歴書の作成サポートや面接対策を受けられます。

選考プロセス

応募手続きや面接日程の調整を転職エージェントが代行します。

内定・入社

内定後も入社までサポートを受けられます。必要に応じて条件交渉・入社日の調整・退職交渉のアドバイスなども行ってくれます。

大手メーカーへの転職に挑戦してみよう!

中小メーカーから大手メーカーへの転職は一見難しそうですが、適切な準備とサポートを受けることで可能性は高まります。

特に、転職エージェントを活用すれば、自分の経験やスキルを最大限に活かせる企業と出会うことができます。

私の自身、中小メーカーから大手メーカーに転職をして、年収が100万円以上アップしたり、ワークライフバランスが改善されたので、転職をして良かったと思っています。

まずは気軽にエージェントに登録し、転職への第一歩を踏み出しましょう!

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半導体技術者検定の概要と勉強方法を解説https://semicon-blog.com/secc/Mon, 25 Nov 2024 22:39:17 +0000https://semicon-blog.com/?p=1114

「半導体技術者検定ってどんな資格?」 「受験しようと思うけど、どんな勉強をすればいい?」 こういった疑問にお答えします。 半導体技術者検定は、半導体業界の幅広い知識を習得し、キャリアアップを目指す方々にとって有用な資格試 ... ]]>

「半導体技術者検定ってどんな資格?」

「受験しようと思うけど、どんな勉強をすればいい?」

こういった疑問にお答えします。

半導体技術者検定は、半導体業界の幅広い知識を習得し、キャリアアップを目指す方々にとって有用な資格試験です。

半導体技術者検定エレクトロニクス3級を受験して合格できたので、検定の概要と勉強方法について解説します。

半導体技術者検定の概要

出典:一般社団法人パワーデバイス・イネーブリング協会

半導体技術者検定は、一般社団法人パワーデバイス・イネーブリング協会(PDEA)が実施する半導体に特化した資格試験です。この検定は、半導体についての基礎的知識の習得や、半導体チップの品質と信頼性を保証するテストに必要な知識を持つ人材を育成することを目的としています。

受験資格に特に制限はなく、誰でも受験可能です。

試験形式は4者択一方式で、合格基準は45点満点中31点(約70%)以上で合格です。

検定の構成

半導体技術者検定はエレクトロニクス1級から4級まであり、それぞれのレベル感は下記のようになっています。

  • エレクトロニクス4級
    高校卒業以上で、これから半導体について学ぶ方を対象にしています。
  • エレクトロニクス3級
    大学や高等専門学校などの学生と若手エンジニアを対象にしています。
  • エレクトロニクス2級
    中堅エンジニアや経験を積んだ若手エンジニアを対象にしています。
  • エレクトロニクス1級
    半導体チップの開発やそれを応用した機器・システム・サービスの開発に、指導的立場で携わるエンジニアを対象にしています。
出典:一般社団法人 パワーデバイス・イネーブリング協会

エレクトロニクス2級は、半導体の作り手に向けた「設計と製造」、主に使い手に向けた「応用と品質」、電力の効率的な扱いに向けた「パワーエレクトロニクス」の3科目に分かれており、それぞれ別の試験になっています。

エレクトロニクス1級は、エレクトロニクス2級の3科目の検定すべてに合格された方が申請することで認定されます。

受験方法

半導体技術者検定は、CBT試験方式で受験できます。全国47都道府県の360以上の会場でPCを用いて受験します。Webから申込をし、試験期間内に好きな時間に好きな会場で受験できて、試験結果が試験終了後すぐにわかります。

半導体技術者検定は申込期間が約2ヶ月間、受験期間を約2週間とし、年2回の実施しています。また、期間内で複数の資格、複数の科目の受験が可能です。

受験料は以下の通りです。

一般学割申請費
エレクトロニクス4級¥8,250¥6,380
エレクトロニクス3級¥9,900¥6,600
エレクトロニクス2級¥13,200¥9,900
エレクトロニクス1級¥4,400

半導体技術者検定エレクトロニクス3級の勉強方法

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 30732245_s.jpg

半導体技術者検定エレクトロニクス3級を受験して合格できたので、勉強方法について紹介をします。

半導体技術者検定の問題は公式テキストの中から出題されるので、まずは公式テキストを購入して勉強をしましょう。公式問題集は必須というわけではありませんが、購入しておいてもいいと思います。

さんのう
さんのう

私はまずテキストのみを購入しましたが、テスト問題のイメージができなかったので、後から問題集も購入しました。

受験料が高いので、不合格にならないためにも問題集も用意するのが安心です。

半導体技術者検定エレクトロニクス3級は計算問題は無く、完全に暗記問題です。公式テキストと公式問題集を繰り返し読んで、内容を暗記しましょう。

公式テキストの内容は、半導体の基礎、半導体の品質保証、半導体製品の分類、半導体の試験項目となっています。

半導体の基礎、半導体の品質保証、半導体製品の分類については専門用語が多いので、初学者にとっては覚えにくいかもしれません。理系大学出身の方でしたら比較的理解しやすいと思います。

半導体の試験項目は、具体的な内容になっているのでテキストだけでは理解しにくかったです。用語だけでも暗記するようにしましょう。

勉強時間は、試験日の1ヶ月ほど前から1日に1~2時間のペースで勉強を始めるのがおすすめです。まずはテキストをじっくり読んで内容を理解し、3周以上は繰り返し読むようにしましょう。スキマ時間を活用してテキストを読み返すと効率的です。

試験問題の配点は、半導体の基礎が8点、半導体の品質保証が10点、半導体製品の分類16点、半導体の試験項目が11点でした。

実際の試験は公式問題集の問題よりも少し難しい印象で、公式テキストの細かい内容からも出題されていました。

合格点は45点満点中31点(約70%)以上なので、半導体の基礎や半導体製品の分類といった項目の基本的なところをしっかり押さえていれば十分に合格できると思います。

まとめ

以上、半導体技術者検定の概要と勉強方法について解説しました。

この検定は、半導体業界への就職や転職を考えている学生さんや社会人にとっては、半導体に関する知識のアピールになります。また、既に業界で働いている方のスキルアップに役立ちます。

半導体業界に興味のある方は持っておいても損ではないので、ぜひチャレンジしてみましょう。

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