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日立ハイテクとは?半導体製造装置で世界をリードする企業を徹底解説

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日立ハイテクは、半導体製造装置で世界シェアNo.1製品を持つ企業でありながら、医療や分析装置の分野でも活躍する「ハイテク総合企業」です。
さらに「高い年収水準」「働きやすさ」「サステナビリティへの取り組み」など、安定した成長と社会的評価を両立しています。

この記事では、日立ハイテクの歴史や事業内容、強み、将来性について、初心者でも分かりやすく解説します。

半導体関連企業を調べている方、就職や投資を検討している方に必見の内容です。

日立ハイテクの基本情報

日立ハイテクは、日立グループの中核企業の一つで、ナノテクノロジー、ヘルスケア、産業インフラなどの分野で先進的な製品とサービスを提供しています。

1947年4月12日に日之出商会として設立されました。その年の10月には、日製産業株式会社に社名変更されています。2001年に日製産業と日立製作所の計測器・半導体製造装置部門が統合して誕生しました。

なお、2020年5月18日に日立製作所による株式売渡請求が承認され、日立ハイテクが日立製作所の完全子会社となり、東京証券取引所市場第一部から上場廃止となりました。

日立ハイテクのビジョン

企業ビジョンはハイテク・ソリューション事業でグローバルトップを目指す

  • 公正で透明性のある経営
  • 環境との調和
  • 社会の進歩発展に貢献

こうした理念に基づき、長期的かつ持続的な成長を目指しています。

会社情報

主な会社情報は下記の通りです。

設立1947年4月12日
事業分野ナノテクノロジーソリューション
ヘルスケアソリューション
コアテクノロジーソリューション
産業・社会インフラソリューション
本社東京都港区虎ノ門一丁目17番1号 虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー
資本金79億3,848万525円(2025年3月31日現在)
決算業績売上収益 7,565億円(2025年3月期)
従業員​連結:15,016名 単体:6,689名(2025年3月時点)
平均年収990万円(出典:就職四季報 総合版2026-2027)
URLhttps://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/
2025年9月現在

日立ハイテクの事業内容とコア技術

日立ハイテクの事業は大きく4分野に分かれています。

どの分野も「見る・測る・分析する」というコア技術に基づいています。

ナノテクノロジーソリューション(半導体製造装置)

日立ハイテクの中核を担う分野で、半導体製造プロセスにおける加工・計測・検査工程をカバーする製品ラインアップを提供しています。

特に測長SEMでは世界トップシェアを誇り、高精度な微細加工を実現するプラズマエッチング装置や欠陥検査装置などの半導体製造装置を手がけています。

  • 測長SEM(CD-SEM)
    世界シェア約7割を誇る「究極のものさし」。0.1ナノメートル単位で半導体のパターンを測定可能。
  • エッチング装置
    独自技術ECRを採用し、低ダメージでナノ加工が可能。
さんのう
さんのう

これらの装置は、最先端半導体の量産に不可欠です。

ヘルスケアソリューション

診断・治療・デジタルを統合した事業で、がん対策やQoL向上を目的に事業を展開しています。

臨床検査装置やDNAシーケンサなど世界トップクラスの製品群を持ち、粒子線治療やデジタルヘルスケアも提供しています。

2025年2月時点で売上比率30%を占める主力分野であり、分析事業の統合によりさらなる革新と社会課題解決を目指しています。

バリューチェーンソリューション

グローバルに事業展開する製造業向けに、調達から販売・保守、さらには経営・リスク対応までを包括的に支援するサービスです。

日立グループの物流・IT・金融機能と自社の商社機能・グローバルネットワークを組み合わせ、製造業の成長と持続可能な社会(カーボンニュートラル・循環経済)に貢献しています。

コアテクノロジーソリューション

「見る・測る・分析する」技術を核に、電子顕微鏡や分析装置を通じて電池・半導体・バイオ医薬品など幅広い分野の研究開発から品質管理までを支援する事業です。

電子顕微鏡(SEM・TEM・FIB)、光度計、蛍光X線分析装置、熱分析装置、液体クロマトグラフなどの世界トップシェア製品を持ち、社会課題(環境、安全、レジリエンス)の解決や科学技術の進展に貢献しています。

分析事業統合により、今後さらに高度化・多様化するニーズに応えています。

日立ハイテクの強み

世界シェアNo.1を誇る半導体製造装置

日立ハイテクの代表的な強みは、測長SEM(CD-SEM)で世界シェア約7割を誇る圧倒的な技術力です。

  • 測長SEMとは?
    半導体ウェーハ上に刻まれた回路パターンの寸法を、電子顕微鏡でナノメートル単位に測定する装置。
    誤差はわずか0.1nm(100億分の1メートル)という精度で、まさに「究極のものさし」と呼べる存在です。
  • なぜ強みなのか?
    半導体は微細化が進んでおり、数ナノメートルの違いで性能が大きく変わります。
    そのため、正確に寸法を測定できる日立ハイテクの技術は欠かせません。
    他社が追従できないレベルの精度を実現しているため、競合優位性が非常に高いのです。

商社とメーカーを兼ね備えたユニークな企業体制

日立ハイテクはもともとエレクトロニクス専門商社である「日製産業」と、日立製作所の計測器・半導体製造装置グループがが統合して誕生しました。

そのため、商社としてのグローバルな情報収集力、調達・販売ネットワークと、メーカーとしての高度な技術開発力、製品製造能力を兼ね備えています。

顧客の多様なニーズに応え、社会課題の解決に貢献するユニークなビジネスモデルを確立しています。

  • 商社機能の強み
    世界中から部品を調達できるネットワークを持ち、災害やパンデミック時でも供給力を維持。
  • メーカー機能の強み
    自社で設計・製造し、最先端技術を開発できる体制。
  • 融合のメリット
    装置製造から販売、アフターサービス、部品供給まで一貫対応が可能。

幅広い事業ポートフォリオによる安定性

半導体事業に強みを持ちながら、医療機器や分析装置、自動車関連機器など幅広い分野を展開しているのも日立ハイテクの強みです。

幅広い事業分野を展開し、それぞれ異なる市場ニーズに対応することで、特定の産業の景気変動に左右されにくい安定した経営基盤を確立しています。

強固な技術力とグローバルな調達・販売ネットワークが、この安定性をさらに強固なものにしています。

多様な働き方と社員の成長支援

平均年収が高く、残業時間も比較的少ない(月26.5時間)など、ワークライフバランスを重視する社員にとって魅力的な環境です。

育児休業取得率100%、「プラチナくるみん」や「えるぼし」認定の取得など、ダイバーシティ経営にも注力しています。

また、社員の学びを支援する制度も充実しており、若手から海外勤務の機会も多く、自己研鑽を後押しする文化があります。

業績と将来性

高収益を維持

2025年3月期の売上高は約7,565億円、営業利益880億円。

営業利益率11.6%と、日本の製造業平均を大きく上回る水準を維持しています。

積極的な設備投資

半導体製造装置の需要増に対応するため、工場の新設や自動化を進めています。

2021年には、茨城県ひたちなか市にIoTを活用したスマートファクトリー「マリンサイト」が稼働し、今後の需要増に対応できる生産能力と操業当初からのカーボンニュートラルを実現しています。

また、2023年12月より山口県下松市で建設を進めていた半導体製造装置(エッチング装置)の新製造棟が2025年3月17日に竣工しました。

キャリア採用の増加

中途採用にも積極的で、2023年には採用者の6割以上がキャリア採用でした。

外部人材の活用によって、新しい技術やノウハウを柔軟に取り込んでいます。

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出典:doda

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まとめ

本記事では、半導体製造装置メーカーの日立ハイテクについて紹介しました。

日立ハイテクは、半導体製造装置で世界トップシェアを持つ製品を有しつつ、医療・分析装置など多様な分野でも存在感を発揮する企業です。

  • 「見る・測る・分析する」のコア技術
  • 安定性と成長性を両立した事業構造

競合に比べ、多角的な事業展開とサポート力が差別化ポイントとなっており、特に今後の半導体市場拡大局面でさらなる成長が期待されています。

出典:日立ハイテク 公式サイト・公開資料
https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/