【資格】半導体工場で活かせるおすすめ資格7選!

今回は、半導体工場で業務をする上でおすすめの資格を紹介します。

半導体工場で働いている方はスキルアップに、半導体業界に興味のある方は就職・転職に有利になると思います。

以下は、私の職場で取得率が高い資格や実際に勤務する中で必要だと感じた資格の一覧です。

おすすめ資格
  • 半導体製品製造技能士
  • 機械保全技能士
  • 第一種衛生管理者
  • 特定化学物質作業主任者
  • 有機溶剤作業主任者
  • 危険物取扱者
  • 第二種電気工事士

それでは、それぞれについて解説します。

半導体製品製造技能士

まず、技能士とは技能検定に合格した者に与えられる国家資格です。

技能検定についての厚生労働省のサイトからの引用です。

技能検定とは、働くうえで身につける、または必要とされる技能の習得レベルを評価する国家検定制度で、機械加工、建築大工やファイナンシャル・プランニングなど全部で131職種の試験があります。試験に合格すると合格証書が交付され、「技能士」と名乗ることができます。

引用:厚生労働省

半導体製品製造技能士は、半導体の基礎知識や製造に関する知識が問われます。学科と実技があり、両方の試験に合格することで資格を取得できます。

また、前工程の集積回路チップ製造作業と後工程の集積回路組立て作業の2つに分かれているので、担当する業務を選択すればよいです。

スキルや知識のレベルごとに特級・1級・2級に分けられています。受講資格として必要な実務経験年数も異なります。

資格を持っていなくても半導体工場で働くことはできますが、資格を取得することで半導体製造に関する知識やスキルを証明することができます。

詳細や受験要項は、中央職業能力開発協会のサイトを確認してください。

機械保全技能士

機械保全技能士は、半導体製品製造技能士と同様の技能士の国家資格です。工場で使用する設備のメンテナンス業務で必要となる幅広い知識を身につけることができるます。

機械系保全作業、電気系保全作業、設備診断作業の分かれています。この中で、私は実際の業務に役立つことの多い、機械系保全作業をおすすめします。

スキルや知識のレベルごとに特級・1級・2級・3級があり、学科と実技の試験があります。受講資格として必要な実務経験年数も異なります。

半導体を製造しているのは機械です。機械は使用していると必ず故障します。安定して生産するためには、予防保全や事後保全の迅速な対応が欠かせませんので、半導体工場では需要のある資格となります。

さんのう
さんのう

私は前職で機械系保全技能士2級を取得していました。

取得していたことで、転職の際に保全のスキルが証明できたと思います。

詳細や受験要項は、日本プラントメンテナンス協会のサイトを確認してください。

第一種衛生管理者

第一種衛生管理者とは、労働安全衛生法に基づき、職場における衛生管理を担当する国家資格です。常時50人以上の社員がいる会社には必ず衛生管理者を選任します。そのため、継続的に高いニーズがある資格です。

第一種衛生管理者の役割は、危険又は健康被害の防止、安全又は衛生のための教育の実施、健康診断の実施、労働災害防止など衛生に関する技術的事項の管理を行います。少なくとも毎週1回、工場内を巡視して作業方法や衛生状態が悪くないか確認をします。

第一種衛生管理者の免許を取得するには、国家試験に合格する必要があります。

衛生管理者は、職場における衛生管理や健康管理を担当する重要な役割を果たします。労働者の健康と安全を守るために、職場内の衛生管理に関する専門知識や技術を持ち、適切な対策を実施することが求められます。

詳細や受験要項は、公益財団法人安全衛生技術試験協会のサイトを確認してください。

特定化学物質作業主任者

特定化学物質作業主任者は、労働安全衛生法に基づく国家資格であり、特定の化学物質を扱う作業場所において、その作業の安全管理を担当する責任者です。技能講習を修了した者の中から事業者により選任されます。

半導体工場では、俗にフッ酸と呼ばれる非常に危険なフッ化水素などの薬品を取り扱います。この資格は、化学物質の健康リスクを理解し、作業環境の安全を確保するために重要です。

特定化学物質作業主任者の資格は、「特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習」を受講することで取得できます。この講習は、学科講習12時間と学科修了試験1時間で構成されており2日間の日程です。実務経験は不要で、受講資格は特にありません。

技能講習は各都道府県により実施要項が異なるので、各労働基準協会などに問い合わせる必要があります。

有機溶剤作業主任者

有機溶剤作業主任者は、労働安全衛生法に基づく国家資格であり、有機溶剤を扱う作業場所において、その作業の安全管理を担当する責任者です。技能講習を修了した者の中から事業者により選任されます。

半導体工場では、IPA(イソプロピルアルコール)などの有機溶剤を使用します。IPAは洗浄後のウェーハ乾燥法の一種のIPA乾燥や設備の清掃や脱脂によく使用しています。特定化学物質作業主任者と同様に、健康リスクを理解し、作業環境の安全を確保するために重要です。

有機溶剤作業主任者の資格は、「有機溶剤作業主任者技能講習」を受講することで取得できます。この講習は、学科講習12時間と学科修了試験1時間で構成されており2日間の日程です。実務経験は不要で、受講資格は特にありません。

技能講習は各都道府県により実施要項が異なるので、各労働基準協会などに問い合わせる必要があります。

危険物取扱者

危険物取扱者とは、消防法に基づく危険物を取り扱ったり、その取扱いに立ち会うために必要となる国家資格です。危険物取扱者として業務を行うためには、試験に合格する必要があります。

危険物取扱者は、甲種、乙種及び丙種の3種類があります。甲種・乙種は取扱作業及びその立ち会い、丙種は乙種第4類危険物のうち指定された危険物に限り取扱作業をすることができます。

甲種すべての種類の危険物
乙種第1類  酸化性固体  塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機過酸化物、亜塩素酸塩類等
第2類  可燃性固体硫化リン、赤りん、硫黄、鉄粉、金属粉、マグネシウム等
第3類  自然発火性物質及び禁水性物質カリウム、アルキルアルミニウム、黄りん等
第4類  引火性液体ガソリン、アルコール類、灯油、軽油、重油、動植物油類等
第5類  自己反応性物質有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物等
第6類  酸化性液体過塩素酸、過酸化水素、硝酸等
丙種引火性液体

半導体工場では乙種の第4類(引火性液体)と第6類(酸化性液体)をよく取り扱います

乙4はガソリンが含まれるため、危険物取扱者の中では取得率が高いです。乙6は覚える品名が5項目と少ないので取得しやすいです。乙種をどれか1つ合格すると、他の乙種を受ける際に2科目が免除となるので乙4→乙6と受けるのがおすすめです

さんのう
さんのう

私は高校生の時に乙4と乙6を取得していました。

乙種の難易度はそれほど高くはありません。

詳細や受験要項は、一般財団法人消防試験研究センターの危険物取扱者のページを確認してください。

第二種電気工事士

第二種電気工事士は、低圧電気工事の施工が可能であり、一般家庭や小規模な商業施設などでの電気工事を行うために必要な国家資格です。

工場の仕事に電気工事士は必要ないと思うかもしれませんが、設備の修理や改造を行う際に電気の知識が必要となります。電気の知識を勉強するのに電気工事士がちょうどいいというわけです。

第二種電気工事士の資格を取得するには試験に合格する必要があります。まずは学科試験を受けて、合格すれば実技試験を受けるという流れです。

詳細や受験要項は、一般財団法人電気技術者試験センターのサイトを確認してください。

【第二種電気工事士】忙しくて時間がない人のための勉強方法を紹介

まとめ

以上、半導体工場で活かせるおすすめ資格を紹介しました。

資格を取得するメリットは、正しい知識を持っていることを証明できることで、企業や周囲から 信頼を得られる ことです。

私が半導体業界に転職する際や、転職した後も取得していた資格が役に立っていると感じています。

学び続けることも大事ですので、チャレンジできる資格があれば積極的に勉強していきたいと思います。

参考文献