受光素子(光センサ)の仕組みと種類を解説

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受光素子(光センサ)は、光を検出し、それを電気信号に変換する装置です。

デジタルカメラ、光通信システム、センサー技術など日常のさまざまな分野で使用されており、光を検出するために欠かせないデバイスです。

この記事では、受光素子の仕組みとその代表的な種類について解説します。

受光素子の仕組み

受光素子は、光を検出して、電気信号に変換する役割を持っています。

受光素子のpn接合面に光が当たると、伝導電子が増えます。これを内部光電効果といいます。そして、半導体内の電子を励起し、電子と正孔が発生します。この電子と正孔の移動により、電流が生じます。

この電流を検出することで、光の強さや波長などの情報を電気信号として得ることができます。

受光素子の種類

受光素子にはさまざまな種類があり、それぞれ異なる原理や特性を持っています。以下に代表的な受光素子の種類とその特徴を紹介します。

フォトダイオード

出典:Wikipedia

フォトダイオードは、最も一般的な受光素子の一つです。半導体のpn接合を利用しており、光がpn接合に当たると、光電効果によって電子と正孔が生成されます。これにより、外部から電圧を加えなくても光が当たると電流が流れるようになり、光の強度に応じて電気信号が得られます。

特徴応答速度は遅いものの暗電流が小さい特徴があり、光の強度を正確に測定することができます。また、製造コストが比較的低いです。
用途光量計測、産業用センサーなど。

PINフォトダイオード

PINフォトダイオードは、通常のフォトダイオードにP型、I型、N型の層を追加して感度を向上させたものです。I層(アイ層)は内部に不純物がほとんどなく、ここで生成された電荷が効率よく電極に到達することで、高感度を実現しています。

特徴通常のフォトダイオードに比べて感度が高く、低光量でも安定した信号が得られます。I層の存在により、PINフォトダイオードは広い波長範囲での応答が可能です。これにより、様々な波長の光を検出することができます
用途光ファイバー通信システム、高速データ通信、光計測機器など。

フォトトランジスタ

フォトトランジスタは、フォトダイオードにトランジスタの増幅機能を加えた素子です。光が入射すると、トランジスタのベースに電流が流れ、その電流が増幅されることで、光を検出することができます。

特徴フォトダイオードよりも高感度ですが、応答速度はやや遅いです。弱い光でも電気信号として取り出せるため、低照度下での検出に向いています。
用途照度センサ、リモートセンシング、光スイッチなど。

CCD(電荷結合素子:Charge-Coupled Device)

出典:Wikipedia

CCDは、光を電荷として蓄え、それを読み出して画像信号に変換する素子です。光が当たると、各ピクセルで電荷が発生し、それを順次読み取ることで、画像情報として処理されます。

特徴高い解像度と感度を持ち、ノイズが少ないため、精密な画像処理が必要な用途に適しています。ただし、消費電力が比較的高く、製造コストもかかります。
用途デジタルカメラ、監視カメラ、天体望遠鏡など。

CMOSイメージセンサ

出典:Wikipedia

CMOSイメージセンサは、CCDと同様に光を電気信号に変換する受光素子ですが、CMOSプロセスを用いて製造されています。各ピクセルが独立して電気信号を生成するため、CCDと比べて低消費電力で動作します。

特徴消費電力が低く、高速でデータを処理できることが特徴です。近年、技術が進化し、CCDと同等の画質を持つ製品も登場しています。
用途スマートフォンカメラ、車載カメラ、医療機器など。

まとめ

受光素子は、光を電気信号に変換する重要なデバイスであり、日常生活や産業の多くの分野で利用されています。

フォトダイオードやフォトトランジスタ、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサなど用途や性能に応じてさまざまな種類が存在しています。

参考文献