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東京エレクトロン株式会社(TEL)は、日本を代表する半導体製造装置メーカーであり、世界でもトップクラスのシェアを持つ企業です。
AI、自動運転、スマートフォンなど、私たちの生活を支える最新のデジタル技術には半導体が欠かせません。
そして、その半導体を作るための装置を開発しているのが東京エレクトロンです。
国内首位、世界でもトップレベルの実績を誇り、研究開発力や顧客との協力体制を強みに、未来の技術革新を支えています。
本記事では、東京エレクトロンの事業内容、強み、経営戦略、そして今後の展望までをわかりやすく解説します。
東京エレクトロン株式会社は、半導体製造装置およびフラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置の分野で世界トップクラスのシェアを誇る日本の大手企業です。
2025年3月期の売上高は2兆4,325億円、営業利益は6,973億円と、日本の半導体関連メーカーの中でもトップの規模を誇ります。
1963年に半導体の技術専門商社として「東京エレクトロン研究所」として創業され、半導体製造装置を輸入・販売していました。
1978年に「東京エレクトロン」へ商号を変更し、半導体製造装置メーカーへと移行していきました。
変化の大きい半導体業界の中で、技術革新を繰り返しながら、時代とともに成長を続けています。
会社情報は下記の通りです。
設立 | 1963.11 |
---|---|
上場 | 1980.6 |
事業内容 | 導体製造装置及びFPD(フラット・パネル・ディスプレイ)製造装置、電子部品・情報通信機器の産業用エレクトロニクス製品の製造・販売 |
業種名 | 電気機器 |
本社 | 東京都港区赤坂5-3-1赤坂Bizタワー |
従業員 | 連19,573名 単2,224名 |
平均年齢 | 43.5歳 |
平均年収 | 1,354万円 |
URL | https://www.tel.co.jp/ |
東京エレクトロンの事業は大きく半導体製造装置とフラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置の2つに分かれています。
半導体製造装置事業

半導体チップは、目に見えないほど小さな回路を何層も重ねて作られます。
特に、半導体製造の4つのキープロセス(成膜、塗布・現像、エッチング、洗浄)すべてに対応する製品群を持つ世界で唯一のメーカーです。
代表的な装置には次のようなものがあります。
- コータ/デベロッパ
半導体の基盤(シリコンウェーハ)に「感光剤」という薬剤を塗り、光で回路パターンを転写する工程に使う装置です。特に次世代の半導体に必須とされる「EUV露光」用装置では、世界シェア100%を誇ります。 - エッチング装置
半導体に刻まれる回路は、髪の毛の数百分の一の細かさです。その不要な部分を削り取り、回路を精密に形作る装置がエッチング装置です。 - 成膜装置
半導体チップは何層もの薄膜を積み重ねて作られます。成膜装置は「原子レベル」で膜を形成するもので、ALDやCVDといった高度な方式を使います。 - 洗浄装置
不純物やゴミが混ざると半導体は正常に動作しません。そのため工程ごとにウェーハを洗浄する必要があり、TELはこの分野でも高いシェアを持ちます。 - テスト装置
ウェーハプローバ、マルチセルテストシステム。ウェーハの電気的検査を行います。 - ウェーハボンディング/デボンディング装置
ウェーハ同士の貼り合わせや剥離を行います。 - ウェーハエッジトリミング装置
ウェーハの端部を加工します。
これらの装置は、世界の大手半導体メーカー(TSMC、Samsung、Intelなど)に導入され、最新のスマホや自動車用半導体の製造を支えています。
FPD製造装置事業

液晶や有機ELなどのディスプレイを作るための装置でも高いシェアを持っています。
特に「FPDプラズマエッチング装置」では世界シェア71%と圧倒的です。
- FPDエッチング/アッシング装置
FPD製造におけるエッチングとアッシングを行う装置。 - FPDコータ/デベロッパ
FPDコータ/デベロッパについては世界シェア21%です。

東京エレクトロンの強みは、大きく分けて次の6つです。
- 研究開発力
2025年から5年間で1.5兆円を研究開発に投資する計画を立てています。これにより、他社に先んじて次世代技術を実現します。 - 顧客との協力関係
世界の半導体メーカーと4世代先までの技術ロードマップを共有し、一緒に未来の半導体を設計しています。 - グローバル展開
世界95拠点を持ち、どの地域の顧客にも対応できる体制を築いています。 - 特許の多さ
23,000件を超える特許を持ち、業界トップクラス。これにより、高い技術力を知的財産として保護し、技術的優位性を確立しています。 - フィールドサービス
これまで出荷された累計92,000台の装置から得られたデータを活用し、予防保全を実現。顧客の工場稼働率を高めています。 - 製品群の幅広さ
半導体製造の主要工程すべてをカバーする装置を持つのは東京エレクトロンだけであり、「オンリーワン」の存在です。
東京エレクトロンの掲げる基本理念は「最先端の技術と確かなサービスで、夢のある社会の発展に貢献する」です。
2027年までの中期計画では、以下の目標を掲げています。
- 売上高:3兆円以上
- 営業利益率:35%以上
- ROE:30%以上
さらに特徴的なのが「攻めと攻めの経営」という考え方です。
通常は守りとされる「品質・安全・コンプライアンス」も積極的に取り組むことで、東京エレクトロンの信頼性を強みに変えています。
地球環境への対応は、企業にとって必須のテーマです。
東京エレクトロンは「E-COMPASS」という方針を掲げ、以下に取り組んでいます。
- 半導体の低消費電力化を実現する技術を開発
- 装置そのものの環境性能も高める
- 事業全体でのCO₂排出削減
その結果、当初2050年に目標としていた「ネットゼロ達成」を2040年に前倒ししています。
東京エレクトロンは「人こそが企業の成長の源泉」という考え方を重視しています。
- やる気重視経営
社員が誇りを持ち、チャレンジ精神を発揮できる環境を整備。 - 挑戦を後押しする文化
失敗を恐れず、挑戦しないことがリスクとされる社風。 - フラットな組織
役職に関わらず「さん」付けで呼び合う文化があり、経営層とも直接話せる。 - 多様性の推進
「ONE TEL, DIFFERENT TOGETHER」を掲げ、国籍・性別・世代を超えて活躍できる環境を整備。
こうした文化が、世界中の人材を引きつけ、イノベーションを生み出しています。
半導体市場は2030年に現在の約2倍、1兆ドル規模に達すると予測されています。
AI、自動運転、メタバースなどの分野で半導体の需要はさらに増えるでしょう。
半導体製造装置市場も、この半導体市場の成長に伴い、さらに拡大していくと考えられています。
東京エレクトロンでは以下の分野に注力し、次世代半導体の進化を支えます。
- 3D積層化
NANDやDRAMを立体的に積み重ねる技術。 - アドバンスドパッケージング
複数のチップを1つのパッケージにまとめ、省スペース化と高性能化を両立。
さらに、2025年から5年間で 1.5兆円以上の研究開発投資 と 7,000億円の設備投資 を計画。
新たにグローバルで累計10,000名の人材採用を計画し、長期的な成長を目指しています。
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東京エレクトロンは、半導体製造装置とフラットパネルディスプレイ製造装置のリーディングカンパニーとして、技術革新、環境配慮、グローバル展開を軸に事業を展開しています。
高度な技術開発、グローバルな展開、環境への取り組み、高品質な製品、優れた顧客サポートを特徴としており、半導体業界で重要な役割を果たしています。
これからも、技術革新と持続可能な社会の実現に向けて、さらなる成長が期待されます。